児童期

「女性ホルモン」は女の子をどう変化させる??〜今さら聞けない女性ホルモンの基本

「女性ホルモン」って何?子どもたちにどう説明すればいい?

「女性ホルモン」とは、女の子らしい体つきになるよう、卵巣が体に発信している命令です

 

「ホルモン」を分かりやすく表現するなら、血管の中にある科学物質のこと。脳から卵巣へ血管を通ってホルモンを出す命令が届き、卵巣から女性ホルモンが出て体中へ届けられていきます。実は、産まれてからも女性ホルモンを出す命令は出ているのですが、同時に女性ホルモンをストップする命令もでているため、ホルモンの放出は少しお休みの時期になっています。やがて思春期になり、女性ホルモンをストップする命令が無くなると、脳から「放出開始!」という指令が出ることをキッカケに、卵巣から女性ホルモンが出て女の子を女性らしい体へと変化させていくのです。また女性ホルモンが出るようになるタイミングと、体格差は非常に関係性が高いと言われています。子どもたちの体格が欧米化してきている近年では、生理の開始は昔よりも早くなってきているそうですよ。平均的には生理(※1)がはじまるのが10~14歳ごろ。遅くても15歳くらいと言われています。

※1)医学的には「月経」と呼ぶ場合も多いのですが、このサイト内では「生理」という表現で統一しています。

 

「女性ホルモン」って、どんな変化をもたらすの?

●女性らしい体つきになり、「生理」がくるようになります

 

女性の体は、胸が膨らみ出す、陰部に毛が生える、脇に毛が生えるなど、順を追って女性らしくなっていきます。体を成長させるのに、大きな関連性を持つのが「生理」の有無。月に一度生理がくるようになると、体は大人の女性になってきたということです。生理がはじまる、ということは赤ちゃんが産める体になる、ということ。体の成長過程に大きな影響を持っているのですね。

 

Q:「初潮がはじまらない!」「生理がなかなかこない!そんな時はどうする?

 

生理がこないケースの大半が子宮、卵巣、ホルモンの異常が原因だと言われています。膣が閉鎖しているなど、産まれつきの病気で生理がこない場合もありますが、一般的な原因で多いのはホルモンのバランスが崩れているケースです。多い原因は痩せすぎ。生理を起こすためのエネルギーを体が持ち合わせていないからなんですね。一般的にはBMIの数値<体重kg ÷ (身長m)2>が18を切ると、生理は止まりやすいと言われています。近年は女性アイドルの低年齢化も影響してか、子どもたちの痩せすぎは非常に問題になっています。そのほか、部活のやりすぎや、ストレス過多も生理が止まる原因のひとつに。逆に太りすぎても、生理不順になりやすくなります。子どもたちの体重変化には、周囲で見守る家族が十分注意してあげることが必要です。

 

女性ホルモンにまつわる病気ってあるの?

「そもそも、なにを基準に“これはホルモンの病気かも?”と疑えばいいの?」と、思いますよね?そこで一般的な成長ペースをお話しますと…。

こんなイメージです。つまり、生理がくるペースが病気か否かを判断するのに良い材料になるんですね。もちろん、保護者がよく観察してあげることもひとつの手段ですが、生理がいつきているか、子ども本人に管理させることも大事。月経アプリなどで自己管理してもらうのもとても良い方法ですね。

 

Q:「病院へ行くときの注意点は?」

 

もしも不安な症状があり、病院へ行くときは、「婦人科」か「産婦人科」へ。産科は妊婦さん専門ですが、婦人科は生理や卵巣・子宮の病気が専門です。一方「産婦人科」は妊婦も、婦人科系の患者さんも両方オッケー。よく病院の診療名を見てから訪ねてみましょう。

スムーズな診察を希望するのであれば、生理日の記録は必ず持参しましょう。病院では必ず、1回前と2回前の生理日は聞かれるはずです。生理日の記録は習慣化しておくといざというときに安心ですね。半年〜1年間の記録があるなら、もう完璧です。

 

女性ホルモンのバランスを崩さないために、何に注意するといい?

まずは体重管理。痩せすぎたり、太りすぎたりしないようにすることが大事です。
部活や運動をしすぎると女性ホルモンのバランスが崩れてしまい、生理が止まってしまうことが多々あります。女性ホルモンのバランスが崩れてしまうと、骨がもろくなり骨折しやすくなるため、体重の変化を軽視せず、家族は注意してあげることが必要です。
バランスを崩してしまい、生理が止まってしまった患者さんの場合、病院ではまず標準体重に戻すことを目標にします。食事量を増やし、標準体重を目指す。標準の8−9割にあたる体重に戻しても生理が自然に戻ってこない場合は、生理を起こすホルモン剤を使うこともあります。そのくらい体重は成長期の子どもたちにとって大切な指標、しっかりカロリーを取って、ホルモンのバランスを戻します。
もうひとつは睡眠。夜は定期的に、ちゃんと寝るようにしましょう。
ホルモンを出すためには、8時間以上は寝るのがいいと言われています。成長ホルモンは夜に出るので、特に深夜(22時ー2時)の時間帯は寝ることが大事です。
良質の睡眠を取るには、ケータイを寝る前にいじらないこと、寝る90分前にお風呂に入ること。22時に寝るなら、20時半までにはお風呂に入る、という生活のリズムを作っておくことも大事ですね。
 

イラスト:ムラタ キミコ

柴田先生の一言アドバイス

初めて児童が病院に行く場合、どうしても気になるのが「内診」の有無。「絶対しないといけないのか?」というと必ずしもそうではありません。性行為が無い子の場合は、痛みを伴うので内診しないケースもあります。お腹にエコーをあてたりしながら、卵巣が腫れてないかなどをみるんですね。症状によっては採血だけで終わるケースもありますよ。先生も相談しながら対応してくれるので、内診が嫌な場合はその旨を先生に正直に伝えてみましょう。

未成年の場合は、お子様ひとりでの通院よりは保護者の方の付き添いが合った方が安全です。(保険証確認が必要な場合もありますので)お母さんでもお父さんでも、どちらかが一緒にいってあげてくださいね。「男性が診察室に入るのはちょっと…」と、不安なお父さんもいるかもしれませんが大丈夫。内診台にあがったら、お父さんには診察室の外で待っていてもらいますので、ご安心くださいね。

柴田 綾子

淀川キリスト教病院 産婦人科医

名古屋大学情報文化学部卒業するも、在学中の世界遺産を中心とした海外旅行をきっかけに「途上国で弱者となりやすい母子をサポートできる技術と知識を学びたい」と、群馬大医学部3年次に編入。沖縄県立中部病院産婦人科コースで初期研修後,淀川キリスト教病院にて勤務。


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