思春期

学校では教えてくれない?!〜さまざまな避妊方法とその利点・副作用

面と向かって子供に避妊方法を教えることは、中々難しいもの。ここでの内容を、読み砕いて伝えることができる場合はもちろん良いのですが、「こんなこと書いているよ」と、さりげなくお子様に見せていただいても◎。お子様がみても良いように、可愛いイラストで分かりやすく、ご紹介しています。

男子ができる、主な避妊方法とその有効率とは?

 

<コンドーム>

薬局やコンビニでも購入でき、多くの人が使用しています。性感染症予防にも役立ちますし、ほかの避妊方法とあわせて使用することができますよね。ただし、コンドームは使用するタイミングや方法によっては妊娠する可能性があるため、避妊の失敗率は、3~14%はあると言われています。つまり、コンドームだけでは十分に避妊できるとは言えないのです。コンドームを初めて使用する際は、正しい取り付け方を予習してから、本番に挑むことがとても大切だということを子どもたちには伝えましょう。

 関連記事:わが子には無縁だと思うと大間違い?!〜身近で怖い病気・性感染症

 

※射精の直前ではなく、勃起したらすぐにコンドームを着用すること

※注意>コンドームを使わず、膣外射精をすることは避妊ではないことなども、伝えてあげてくださいね。

 

女子ができる、主な避妊方法とその有効率とは?

<ピル>

「経口避妊薬」とも言われるもので、女性が服用する避妊薬です。ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれており、これらのホルモンが脳下垂体に作用し、卵胞の発育と排卵が抑制されます。結果、避妊につながる、というわけですね。
そのほか、子宮内膜を受精卵が着床しにくい状態にしたり、子宮頸管粘液を変化させて、精子を進入しにくくする作用も。ただしピルは個人で購入はできず、病院で医師による正しい処方が必要です。
もちろんピルを服用しているから「オールオッケー」と楽観視はできませんよ。個人差はあるものの、服用による副作用もありますので、体へのリスクがあることも、きちんと理解しておく必要があるでしょう。

 

※1) 重篤な副作用として懸念されているものに、血栓症があります。

 

<緊急避妊ピル(アフターピル)>

定期的に服用する一般的なピルとは異なり、性交後72時間以内に服用するピルのこと。排卵を遅らせたり、子宮内膜をあらかじめ崩して置いたりすることで妊娠を防ぎます。所定時間内の服用であれば、高い避妊率を誇ります。しかし、すでに妊娠している場合は使用できません。また一般的なピルと同様に、副作用※2) がありますので服用には注意が必要です。

 

※2) 以前より、副作用のひとつに吐き気があげられていますが、現在緊急避妊薬(アフターピル)として正式に流通しているものに関しては、吐き気の作用は7%程度に抑えられています。

 

避妊がもたらす効果、利点は?

正しい避妊方法をパートナーと話し合う、という行為そのものが互いの信頼を高めます。相手を大切に想っている気持ちを、行動で示すためにはとても重要なことなのです。
避妊を考えるということは、パートナーとこれからも愛のある人生を送るために、今後のライフプランを共に考え、計画する、ということ。「相手が避妊を嫌がるから」と、パートナーのどちらかがガマンしたり、相手の一時的な気持ちにだけ配慮する間柄では、幸せな未来なんてきっと築けないのではないでしょうか?お子さんが大切なパートナーとともに、お互いを思いやり、きちんと未来を考えて、適切な避妊方法を選べるようになってほしいですね。

 

避妊がもたらす副作用、副効用は?

 

避妊方法によって副作用も異なります。以下の注意点を踏まえつつ、まずは自分の体質を理解しておくことが大切ですね。

 

<コンドーム>

コンドームは「ラテックス」製、つまり天然ゴムの原料となる樹液のことです。当然ながら、ラテックスアレルギーの人は、ノンラテックスのコンドームを選びましょう。
また、コンドームはサイズが合わないとコンドームが膣内で外れてしまったり、取れてしまう原因に。サイズ選びも重要なポイントです。

 

<ピル>

低用量ピルを服用したとき、血栓症になるリスクは通常の3倍になると言われています。しかし、妊娠時の血栓リスクはピルを飲んでいる・いないに関わらず、実に通常の15倍!
つまり、若くてたばこを吸っていない女性にとっては、ピルを飲んで避妊をしていれば血栓症という想定外のリスクが3倍で抑えられるところ、ピルを飲まないでセックスすると、望まない妊娠をする可能性が高まるばかりか、望ましい妊娠をすることによる血栓症のリスクも15倍にあがる、ということになるのです。
さらに、喫煙をしていればより血栓症のリスクは急上昇。産婦人科では35歳以上で、1日15本煙草を吸う人には処方できません。

避妊を教えるうえでの注意ポイントは?

使い方も大事ですが、なぜ使わなければいけないのか、という責任についても教えてあげたいですね。

  • ・避妊は単に子どもを作らない、という目的だけでなく、相手と自分の人生を守る術でもあること。
  • ・「セックスをしない」という選択肢もあること。もしセックスするのであれば、妊娠する可能性があること、それに伴う子どもたちなりの「責任の取り方」を話し合うように伝えること。
  • ・子どもと性教育に関する知識レベルをあわせること。可能ならば学校での性教育の授業を、保護者も一緒に受ける機会を作ってもらう。

★とにかく、セックスには「責任」が伴う、という教育がなにより大事。

 

イラスト:IGA DESIGN

高橋先生の一言アドバイス

万が一の事態(妊娠)を避けるため避妊はとても重要です。まずは正しい知識を持つことが大切だと子どもたちには教えてあげましょう。
もうひとつ、パートナーを大切にする気持ち、コミュニケーションを取ることの大切さも、伝えてあげたいこと。セックスを頭ごなしに否定するのではなく、正しく付き合いながら、子どもたちの精神的成長を見守ってあげたいですよね。

高橋 幸子

埼玉医科大学 医療人育成支援センター ・地域医学推進センター/産婦人科

山形大学医学部卒業。埼玉医科大学総合医療センター研修医、埼玉医科大学病院産婦人科助教、埼玉医科大学地域医学医療センター助教を経て、現職。年間80回以上、全国の小学校・中学校・高等学校にて性教育の講演を行っている。教育雑誌、TVなど、性教育テーマでのメディア掲載・出演実績多数。

活動:

日本家族計画協会クリニック非常勤医師
彩の国思春期研究会西部支部会長

486

編集部おすすめ