思春期

「女性の体になる」ってどういうこと?〜女の子の生殖器官と性機能の話

思春期の子どもたちの心身に「女性ホルモン」が及ぼす主な変化とは?

「思春期」(小学校高学年~中学生・高校生頃)と呼ばれる第二次性徴期に入ると、脳の指令によって性腺刺激ホルモンが分泌されます。その性腺刺激ホルモンが卵巣に働きかけることで卵巣から分泌されるエストロゲンは、女の子から大人の女性の体に成長するために大切な女性ホルモンのひとつ。その働きにより下記のような変化が起こります。

思春期女の子の成長、発達に合わせて注意すべきことは?

女性ホルモンが分泌されることによって変化する一番大きな症状は月経です。
月経は体が大人の女性になるための大切な準備を始めたということ。ごく当たり前の体の変化であって、怖いものではありません。
ただ、ちょうど思春期は異性を意識し、自分の容姿を気にしたり、友達と比べて優劣をつけたりしたい時期。そこで無理なダイエットをしてしまうと、栄養不足から骨折しやすくなったり、月経がきちんとこなくなってしまうことがあります。
骨折しやすい=骨がもろくなる、ということ。骨や筋肉の成長を妨げ、身長が伸びないなどのトラブルだけでなく、将来骨粗しょう症になるリスクも含んでいるのです。思春期の女子において、体重が増えるのは自然なこと。自分にとっての「ちょうどよさ」が大切であることを忘れないように気をつけましょう。

 

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女性の性機能・性交(セックス)・避妊方法等の説明は何歳くらいにするのがいい?

日本の学校で具体的に性機能のしくみや、避妊方法、性感染症などについて学ぶのは中学生になってから。しかし、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関、United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.)が発表している国際的な性教育の手引き※では、指導内容を5~18歳で4段階にわけ、段階的に性について説明していくことを推奨。教育のスタートは、なんと5~8歳とされているんです!日本の教育現場より、とても早いですよね!
子どもたちが将来望まない妊娠や性感染症を防ぐためにも、「まだ早すぎる」と思わずに、家庭でも正しい性教育を実践していくことが大切なんですね。

※参考:国際セクシュアリティ教育ガイダンス/明石書店

 

どんな風にアプローチするとよい?

 

性の知識を、「恥ずかしいこと」、「隠すべきこと」、「汚いこと」というイメージで教え込んでしまっては、性に対して嫌悪感や恐怖感を持ってしまうことも。性の知識は恥ずかしいものではなく、「生きていく上で当たり前のこと」として、正しい知識を段階的に話してあげるといいでしょう。
ユネスコによる性教育の国際的な手引きでは、年齢に応じて教える性教育の内容を下記の通りに示しています。

 

マスターベーションは必要なの?

マスターベーションは、必要不可欠な行為ではありませんが、広く行われている自然な行為です。さらには性教育という面でも、性器のしくみを知ることができるよいキッカケに。諸外国では性教育の一部として、当然のように組み込まれているそうです。

Q:マスターベーションする際に気をつけることはある? 

 

女子がマスターベーションする際、意識しておいてほしいのは下記の通り。

  • ◆清潔、安全に行うこと
  • ◆リラックスできるプライベートな空間で行うこと
  • ◆通常セックスで得られないような強い刺激は与えないこと

以下の方法は、相手がいるセックスの際に違和感を覚えたり、感覚が鈍ったりしてしまう可能性があるので注意しましょう。性器を傷つけないために爪を短くしておくことも大切です。

  • ◆シャワー水への押し付け
  • ◆ソファやテーブルなどへの押し付け
  • ◆不衛生な物を直接性器にあてるなどの方法

女の子にも性欲があるのはごく自然なこと。お子様を尊重し、大らかな気持ちで捉えてあげてくださいね。

 

重見先生の一言アドバイス

自分の体の変化と性の欲求、妊娠、出産などについて、正しい知識を得ることは、お子さまにとって非常に大切です。適切な情報を知ることで、自分自身が幸せとなり、周囲とのトラブルを避け、自分だけでなく周りの人も幸せにしてあげることに繋がるからです。
ご両親はぜひ「受け身」の姿勢ではなく、「家族だからこそできる自然な雰囲気」で優しく話してあげてくださいね。お子様にとっては、思春期に知ることすべてが、不思議で当然なことばかり。ひとつずつ段階を経てあげることが、とても重要なのです。そして思春期のうちに、ぜひ信頼できる産婦人科の先生を見つけてあげてほしいと思います。
お子さまにとって、妊娠した時や不妊症の検査で初めて産婦人科を受診するよりも、若いうちから信頼できる産婦人科医と相談できる環境があることは、女性として安心でき、豊かな人生を送る手助けになるでしょう。

重見 大介

産婦人科専門医/公衆衛生学修士

日本赤十字社医療センターで初期研修修了後、母校の日本医科大学産婦人科に5年間所属し、大学病院、市中病院の産婦人科だけでなく、新生児集中治療室(NICU)や麻酔科でも研鑽を積む。これまでに1000件以上の出産に立ち会っている。

2018年11月現在、東京大学大学院博士課程(臨床疫学・経済学)での研究活動、総合病院での臨床業務に加え、株式会社Kids Publicで「産婦人科オンライン」という妊産婦を対象とした遠隔健康医療相談サービスの運営に携わり、様々な角度から女性の健康へ向けた取り組みを行なっている。

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