児童期

親子で学びたい「生理」のホント

「生理」って何?子どもたちにどう説明すればいい?

「生理」とは、子宮の中をキレイにするために、毎月やってくる子宮のお掃除タイムです

女性の体は初潮を迎えると、いつ赤ちゃんができてもいいように、子宮の内膜が厚くなります。これは血液をベースにした言わば赤ちゃん用のベッド。ただしこの血液を長期間、ずーっと貯めっぱなしにしておくと、ガンの原因になることもあるのだとか…!そのため約ひと月に1度、ベッド(内膜)を入れ替えるために、生理がやってくるのです。

 

●生理は体の変化に気づく身近なチャンス!

人によって生理のサイクルは違いますが、定期的に生理がこない=何かしらのトラブルや体に変化が起きている、という可能性が高いです。ホルモンのバランスが崩れていたり、妊娠の可能性があったり…。なかには、もともと子宮や卵巣に異常がある人もいて、その結果妊娠しにくくなっているというケースも。15歳過ぎてもまだ生理がきていない、生理のサイクルにばらつきがある場合は、ぜひ一度病院へ行ってみてくださいね。

 

「生理」って、どんな変化をもたらすの?

身体面で一番大きな変化は、妊娠して赤ちゃんができる子宮になること。卵子がつくられ、赤ちゃんを受け入れるベッドができます。
心境面においては、女性ホルモンの働きにより、イライラしたり情緒不安定になることがあります(PMS:月経前症候群)。生理前にイライラや不安、腹痛、頭痛などが強い場合は産婦人科へ相談してください。女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあり、生理前のイライラはこれらのホルモンの急激な変化が影響していると言われています。

 

Q:若いほうが妊娠しやすいのでしょうか?

 

一般的に卵子が若いほうが妊娠しやすいと言われています。そのため、14歳~16歳など、低年齢での妊娠も十分にありえます。ただし未成年での妊娠の場合、骨盤が小さかったり体や心がお母さんになる準備ができていないことが多く、出産が大変なケースが多く見受けられます。また赤ちゃんが低出生体重になる原因のひとつとも言われています。

 

Q:高齢出産と同じくらい大変なのでしょうか?

 

はい。母親が若すぎても、高齢すぎても赤ちゃんが育ちにくい、という報告があります。高齢出産の場合は、母親の血圧が高くなりやすかったり、血液の流れがうまく流れなかったり、胎盤の機能が低下しやすかったりなどが原因のことが多いです。若年妊娠と高齢出産は、それぞれ大変なことがあり、どちらが大変かを比べるのは難しいです。

 

生理にまつわる病気ってあるの?

出血量が多い場合や、生理時の腹痛が強い場合は、病気が隠れている可能性もあります。可能であればぜひ一度、産婦人科や婦人科を受診してみてください。

なかには、すぐには治らずに一生付き合っていく必要のある病気もあります。少しでも気になることがある場合は、児童期の子でも思春期の子でも、年齢問わず産婦人科・婦人科を受診してみましょう。

 

Q:不妊症は遺伝しない?

 

不妊症になる原因には色々あり、一部は遺伝するものもありますが、多くは卵巣の能力(年齢)や生活環境の影響が大きいと言われています。
また以前は子宮後屈(子宮が背中側に曲がっていること)が不妊症の原因として考えられたことがありましたが、現在では不妊症とあまり関係性はないと言われています。
クラミジアなどの性感染症やタバコを吸ったりすることで、妊娠しにくい体になってしまいます。一方、禁煙し食事に気をつけて体調管理をしっかししていても、なかなか妊娠しない人もいます。病院で調べてみたら、実は子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が見つかったというケースも少なくありません。将来、子どもたちが大人になって、妊娠できるか不安になってきたら、自己判断せずに一度診察を受けてみるように、すすめてみてくださいね。

 

Q:「病気ではなさそう、でも毎月の症状がツラい!」そんな時はどうする?

 

生理痛、PMSなど、病気ではないけれど生理時には体調不良になる、という女性は多くいます。「生理が終わればおさまるよね」とガマンしないで。気になる症状があれば、気軽に病院に行ってみましょう。我慢しすぎて症状が悪化してしまうほうがよくありません。痛み止めや漢方、ピルなど、その人にあわせていろんな薬を医師と一緒に相談できます。早く見つけることで、症状が悪くなるのを止められるはずです。

 

●おうちケアのポイントは、あの手この手で「温める」こと。

 

生理中は子宮内の血液を外に出そうとして、子宮の筋肉がけいれんするため、生理痛が起こります。温めると筋肉が緩みやすいので、温かいものを飲んだりお風呂で湯船につかるなど、しっかり体を温めてあげることで痛みが改善すると言われています。

 

初潮を迎えるにあたって、何に注意するといい?

生理がはじまったら、貧血にならないように鉄分の多い食事を摂ることを心がけてください。それから、生理中は体調不良になったり、情緒不安定になったりするので、無理はしないようにしましょう。

 

Q:生理中はどんな食材がおすすめ?

 

お肉(レバー)、あさり、大豆(納豆)や野菜(小松菜)など、鉄分の多い食材を多めに摂ってください。オレンジやブロッコリーなど、ビタミンCの抱負な食材を一緒に食べると、鉄分の吸収をサポートしてくれます。

 

Q:生理がこないのはなぜ?と子どもに聞かれたらどう答えるべき?

 

初潮の開始時期には個人差があります。つまり、他の人と比べることにあまり意味はありません。子どもには「自然にはじまるまで待ってて大丈夫だよ」と、自信をもって伝えてあげてください。もしも15歳を過ぎても生理がこなければ、一度病院へ行ってみましょう。不要な焦りは禁物、ということですね。
 

イラスト:ムラタ キミコ

柴田先生の一言アドバイス

「痛み止めを飲みすぎるとくせになる」って聞いたこと、ありませんか? 実はそれ、迷信です。日本で発売されている痛み止めの多くは、中毒性のある成分は含まれていないので、安心して服用してくださいね。お薬の内服量をきちんと守れば、生理中、毎日飲んでも大丈夫なほど。むしろ限界まで我慢して、体調を悪くするほうが大変です。鎮痛剤の種類は何でもOKです。少し痛くなりはじめたな、と思ったら早めに飲むと薬はより良く効きます。子どもさんが生理と上手に付き合っていけるよう、大人たちも上手にサポートしてあげたいですね。

柴田 綾子

淀川キリスト教病院 産婦人科医

名古屋大学情報文化学部卒業するも、在学中の世界遺産を中心とした海外旅行をきっかけに「途上国で弱者となりやすい母子をサポートできる技術と知識を学びたい」と、群馬大医学部3年次に編入。沖縄県立中部病院産婦人科コースで初期研修後,淀川キリスト教病院にて勤務。


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