児童期 / 思春期
SNS起因の被害急増!「リベンジポルノ」「JKビジネス」の現状と子供を守る対策は?
出会い系サイトにマッチングアプリ、SNS…さまざまな「出会い」のきっかけが転がっているインターネットの世界。良い出会いもある一方、危険もたくさんあります。特に女の子がいるご家庭では、お子さんが事件やトラブルに巻き込まれないか、心配ですよね。
今回は、未成年を取り巻くインターネットの「出会い系」の現状と、どうすれば子供を守ることができるのか、まとめました。
「出会い系」最新事情:子供にも身近なSNS(LINE、Twitter他)やコミュニティサイト
インターネットでの「出会い」の場は、旧来の「出会い系サイト」から、SNSやマッチングアプリといったの「コミュニティサイト」に変わりつつあります。いずれも、ツイッターやLINEをはじめ、チャット系の学生限定アプリ「ひま部」など、中高生にとって身近なサービスです。
警視庁によると、2012年以降、コミュニティサイトにおける未成年の被害は増え続け、2017年の被害児童数は最多の1736人。うち半数以上は15歳で、被害児童の低年齢化が目立ちます。
参考資料:平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策 より|警視庁
SNS(LINE、Twitter他)、マッチングアプリ起因の中高生の性被害事例(JKビジネス、児童ポルノ・リベンジポルノなど)
コミュニティサイトにおける被害内容のトップは、淫行などの「青少年保護規制条例違反」。そして近年、「児童買春」「児童ポルノ」「JKビジネス」の性被害に遭うケースが急増しています。代表的な被害事例をみてみましょう。
事例1:高時給のアルバイトと思ったら…JKビジネスの被害
SNSで「簡単な仕事で高収入!」というカフェのアルバイトの募集に惹かれて面接にいったら、店の人に身体を触られ、写真を撮られたケース。仕事内容も募集と異なり、客と密着して接客させられたり、性行為を強要させられそうになったりすることも。
事例2:言われるがままに、裸の画像を送ってしまい…児童ポルノの被害(リベンジポルノ)
インターネットでやり取りをしていた相手の要求がエスカレートし、言われるがままに、裸の画像を送ってしまうケース。その後、脅迫などの二次被害に遭うことも多くあります。児童ポルノ被害の実に約4割が、自分で画像を撮影して送信してしまう、いわゆる「自画撮り」だということです。
お悩み相談事例から:息子がLINEで性的な動画をやり取りしているのを発見…
中学生男子が、複数の女子とのグループLINEで性器見せて!と要望し、それに対して平気で動画を送ってきている事態を発見してしまった母親からのご相談。
回答者のNPOピルコン染矢さんは、「一方的に叱ったりLINEを禁止するのでは根本的な解決になりません。リベンジポルノの事例などをみせて、未成年の裸の写真を送ってもらうことの法的違反や、リベンジポルノの危険性を一緒に考える時間をつくってください。何かあったときに相談しようと思える関係性づくりが重要です。」とアドバイスしています。
詳しくはコチラから:お悩みQ&A「息子がLINEで性的な動画をやりとりしているようです」
なぜ、子供達はSNSやマッチングアプリで知らない人と「出会う」のか?
産まれた時から身近にインターネットがあった現代の子供たちにとっては、親世代と比べて、SNSやマッチングアプリで出会った人と実際に会うことに抵抗感を持ちにくいのかもしれません。
その上で、警視庁の報告によると、コミュニティサイトで被害に遭った児童が被疑者と遭った理由のトップは、「金品目的」。援助交際を目的に出会い系を利用する中高生が多い実態が伺えます。
参考:「平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策」より|警視庁HP
子供を性被害から守るために、親ができる対策は?【性と情報リテラシー】
出会い系による被害から子供を守るために、親は何ができるのでしょうか。具体的な対策例をご紹介します。
対策1:子供の異変を見逃さないこと(服装、持ち物、表情など)
子供が傷つくのを見逃さないために、普段と違う様子に気を配ることが大切です。
・服装、持ち物が急に変わった
・帰宅時間が遅くなった
・携帯料金が高くなった
・浮かない顔をしている
など、子供に異変が見られたら、早い段階で本人にさりげなく様子を聞けるといいでしょう。
対策2:フィルタリング機能を設定する
有害なサイトへのアクセスを制限するフィルタリング機能も対策のひとつです。
スマホの場合、一番簡単な方法は、フィルタリング専用のアプリを使うことです。携帯会社が推奨しているフィルタリング用のアプリをインストールすれば、すぐにフィルタリングをすることができます。
対策3:家庭内のインターネットルールを作る
インターネットの危険性を伝えた上で、家庭内のルールを一緒に作るのも良いでしょう。
・ネットで知り合った人に会わない
・門限を決める
など、親子で話し合ってルールを決めることができるといいですね。親子で「情報リテラシー(情報モラル)」「SNSリテラシー」を高めましょう。
警察庁・サイバー犯罪対策HPでは「出会い系」や「SNS」の危険性や保護者が注意すべきことがまとめられています。
子供がスマホを手にする前に、親子で一緒に読んでみるのも良いのではないでしょうか。
参考サイト:警察庁ホームページ
対策4:普段から親子間でしっかり会話する
未成年の売春などの非行の背景には、本人の規範意識の低下や、周囲とのコミュニケーション不足があるといわれます。普段の家族の会話の中で、自分の身体を大切にすることや、嫌なことははっきりNOと言う重要性を伝えていきましょう。
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ライティング:山田 好美