【レポート】小学校で学ぶ「10代の心とからだのこと」<LIXIL包括的性教育出前授業②>

6月9日(火)、三重県津市の津市立西が丘小学校で、児童を対象にした包括的性教育の出前授業が開催されました。本授業は、LIXILによる包括的性教育の教材を活用した出前授業です。当日は児童121名・保護者4名が参加し、専門家から自分の心とからだについて学ぶ、充実した時間となりました。
きっかけは、学校でこれまで使用していた包括的性教育の教材「10代の心と体のこと」(※)のパンフレットの内容がとても好評だったこと。
修学旅行を控えた学年ということもあり、「子どもたちに専門家から自分の心とからだのことを学び、自分を守るための知識をお守りとして手渡したい」という先生の思いから、今回の申し込みにつながりました。
※ LIXILにて制作した本教材を、2025年9月に全国の学校・PTA・子どもに関わる方へ無償配布する取り組みを、LIXILと命育にて実施いたしました。本授業は、当教材を活用した無償の出前授業です。 取り組みについて、詳しくはこちら。
1.包括的性教育授業(60分):現役看護師・渡部さんによる講演

授業を担当したのは、現役看護師の渡部さん。人権を基盤とした「包括的性教育」のアプローチを取り入れながら、思春期の心とからだの変化から、自分と相手の境界線(バウンダリー)まで、幅広いテーマを総合的に学ぶ内容となりました。
授業の冒頭では、渡部さんが服装を見せながら「私の職業はなんでしょう?」と児童にクイズを出題。
「看護師さん!」と正解が出たところで種明かしをし、専門家からの話であることが伝わったことで、その後は自然と真剣に耳を傾ける空気ができあがっていました。
堅くなりすぎず、それでいて真剣に話を聞く、心地よい雰囲気の中で授業がスタートしました。

体の部位クイズに、積極的な挙手

「体の部位を知っている人〜」といった問いかけには、児童たちが積極的に手を挙げて回答。活発でありながらも茶化すような雰囲気にはならず、真剣に授業へ参加してくれていたのが印象的でした。
「女らしさ」「男らしさ」をみんなで考えるワーク

授業では、「女らしさ」「男らしさ」についてみんなで考えるパートも用意されました。ボードにマグネットを貼って発表したい児童を募集したところ、人数オーバーになるほどの応募があり、児童たちの関心の高さがうかがえました。
「男の子でもピンクが好きな人がいるから」「僕がそうだから男らしいにした」など、それぞれの子どもが自分なりの「らしさ」について考え、発表する姿が見られました。
2.シャワートイレ座学&実験パート(15分):LIXIL社員による解説
後半は、LIXIL社員による「シャワートイレ」についての座学と実験パート。シャワートイレの良さや使い方、メーカーごとの特長を学びながら、人工皮膚に汚れをつけて「トイレットペーパーで拭くだけ」の場合と「水で洗い流す」場合とで、汚れの落ち方がどのように異なるかをみんなで実験しました。
ノズルの本数クイズに、意外な回答も
「シャワートイレのノズルは何本あるでしょう?」というクイズでは、意外にも「2本」と答える児童が多く見られました。
「全然違う!」実験で驚きの声
実際に拭く場合と洗い流す場合を比べる実験では、児童から「全然違う!」と驚きの声があがりました。
拭くほうは何度もごしごしと拭いてもなかなか汚れが取れません。
そこで、「デリケートゾーンはまぶたよりも皮膚が薄いけれど、まぶたでもこんなに擦ったら傷ついてしまう」という説明があり、児童たちも肌への負担を実感していた様子でした。


児童から寄せられた感想
授業後には、児童から直接感想を聞くことができました。
「からだの中のことや、トイレのことなど知らないことしかなかった。わかりやすく理解でき、とてもよかった」
「実験をして見れて、わかりやすかった」
今後にどう活かしたいかという問いには、
「女の人だから、男の人だからとかではなく、嫌味もなく人それぞれの考えを持ってお互いが話し合えるようにしていきたい」
「ビデは今まで使ってなかったけど、実験を通して使うようにしてみたいと思った」
といった声も聞かれ、授業での学びが日常の行動や考え方につながっている様子がうかがえました。
アンケートから見えた児童・保護者の声
授業後には、児童・保護者それぞれにアンケートを実施しました。
児童アンケートより
「ビデ洗浄について、もともと知っていましたか?」という問いには「聞いたことはあるが、あまり知らなかった」という回答が多く見られた一方、「シャワートイレの良さや使い方について、理解できましたか?」には「とてもよく理解できた」「理解できた」との回答が並び、「実験を通して使いたいと思いましたか?」にも「使ってみたい」「少し使ってみたい」と、前向きな変化が見られました。
「ノズルが2本のトイレについてどう思いましたか?」には、回答したほぼ全員が「良いと思った」と答えていました。
自由記述には、次のような感想が寄せられました。
「自分だけにしかないものなど、不安になっていたことなどをこんなふうにあかるくはなしをしてくれてよかったです。
自分がしらなかったものごとがわかりやすくはなしをしてくれてうれしかったです(バウンダリーやわたしらしさなど)。
女性が気になる点(ノズルが2本)をちゃんと理解してつくっていてすごいなと思った」
「自分の性の表現のしかたについてよくわかった。そうだんできる人が近くにいることがわかった。勇気がもてるセミナーだった! わたしらしさのところがささった。実験がわかりやすいし、かん単だった!
今回話してくれた先生みたいな人がたくさんいてくれていることが、とても心強いし、安心できました!」
「わたしらしさ、バウンダリーのところがわかりやすくとてもよかったです」
「今までにも何回もこんなかんじの授業があったけど、今までに知らない情報がたくさんあった。
たとえば性器のへそから下のおなかの中はどんなかんじになっているかとか、男性のおなかの中はどんなかんじになっているのかとか、大人になっていくにつれて男性と女性ではどのような違いがあるのかとか、すごくわくわく分かった。トイレの時のふきかたとかを、全然意識せずふいていたけど、正しいふきかたがあることを初めて知った」
「わたしらしさ」や「バウンダリー」といったキーワードへの反応が多く、また「相談できる人が近くにいるとわかった」という声からは、授業が児童にとって安心材料にもなっていたことがうかがえます。
保護者アンケートより
保護者からは、「INAXのシャワートイレは全機種ノズルが2本あることをご存知でしたか?」には「知らなかった」、「ノズルが2本のトイレについてどう思いましたか?」には「良いと思った」、「今回の講座を通じて、LIXIL(INAX)のブランドイメージに変化はありましたか?」には「良くなった」との回答がありました。
自由記述では、次のような感想が寄せられました。
「境界線については、反省すべき点があります。今後気をつけたいと思います。主人にも聞いて、態度を改めて欲しいとも思いました」
「子どもが理不尽なことで私に怒ることがあり、とても腹が立っていましたが、反抗期について触れたので、接し方を改めます」
保護者自身が家庭でのコミュニケーションや接し方を見つめ直すきっかけにもなった様子がうかがえました。
おわりに:専門家から学ぶ、自分を守るための時間
今回の授業では、現役看護師による包括的性教育の講演と、LIXIL社員によるシャワートイレの座学・実験を組み合わせることで、児童たちが最後まで集中して学ぶ様子が見られました。
クイズや実験など、参加型の工夫が随所にあったことで、「知らないことばかりだった」という児童たちも、自分ごととして楽しみながら理解を深めることができたようです。
修学旅行を控えた児童たちにとって、自分の心とからだを知り、自分を守るための知識を持ち帰る、貴重な機会となりました。
また、今回実施した包括的性教育出前授業は、東京都鷹番小学校PTA様や、埼玉県新郷小学校様でも実施いたしました。 ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。










