教えて!「思春期の性教育、家庭でできますか?」親子座談会開催レポート

■ 中高生のお子さんを持つ保護者の皆さんと中高生が参加!「親子座談会~中高生の性教育の実態」

 

思春期親子座談会

 
4月、横須賀市民への性教育プロジェクトを一緒に進めている一般社団法人KAKEHASHIの皆さんと一緒に、中高生の保護者とお子さんによる親子座談会を実施しました!
(当日の様子を、TBS NEWS23にて放送いただきました)
今回の座談会を開いた目的としては、下記のような思いがありました。
 

【親子座談会の目的】

 

・中高生の性に対する疑問や悩みが何か、どのような場所で、誰から教わりたいかなどの実態を把握すること
・保護者には、家庭での性教育の実情や、学校の性教育に対しての満足度などを伺い、命育として今後どのような取り組みができるかのヒントをいただくこと
・親子、それぞれの性教育に対する気持ちを共有してもらい、家庭で性の会話をするきっかけにしていただくこと

 
というのも、家庭でできる性教育の情報を発信しつづけてきた命育ですが、幼児~小学生中学年頃までは、まだやりやすい親子での性の会話も、小学生高学年頃の思春期になってしまってからだと、非常にハードルが高くなってしまうことを感じていたため。家庭だけでなく、学校といかに連携して性教育を提供できるのか、そのために命育はどのような取り組みができるのかのヒントをいただくために、開催させていただきました。
 
広い会場を使い、感染対策も行ったうえでの開催に、保護者(母親6名、父親2名)8名、中高生4名がご参加くださいました!性の話題に抵抗感もあったであろう中、ご参加くださりとっても嬉しく思った編集部一同です。
 

■ 保護者と中高生、各グループに分かれて性教育に関するディスカッションスタート

思春期親子性教育座談会

冒頭は、命育編集部から、命育に寄せられる保護者の声や命育の人気の記事から、幼児期・児童期・思春期それぞれの特徴について。
幼児期、児童期では、「子どもからの性の質問、どう答えたらよいか」「子どもを性犯罪から守るためにどのような知識を伝えたらよいか」など予防として性教育を伝えたい、信頼できる性の情報が欲しいといった前向きな姿勢。ところが、思春期になると「こんなトラブルが起こってしまい、どうしたらいい!?」という実際に性に関して困ったことが起こってしまったが、対処法がわからない、今さら子どもと性の会話ができない、という声も目立つようになることを紹介。
幼児期、児童期のうちに、家庭で性教育が行われていることが大切であること、思春期以降は家庭だけでなく、学校での性教育が重要な役割を占めること、をお伝えしました。
 
その後、お互いに本音が話せるように、保護者と中高生は別々の場所に移動し、座談会はスタート。保護者グループでは、こんな意見が繰り広げられました。
 

【お子さんのエピソード】
「学校で外部講師による性教育講演があった日、普段は学校生活のことを全く話もしてくれない子どもが、すごくうれしそうに性教育講演で学んだことを話してくれました。友達もみんな、また聞きたいと言っていたそうです。」
「授業で習い、精子と卵子が出会うと受精する、というのは理解しているけれど『どうやって、精子と卵子は出会えるのか?』と、疑問を持っていました。自然な疑問だと思います。」
 
【学校での性教育について・期待すること】
「学校任せにしていたことも良くないが、実際どのような性教育をしているのか知らない」
「親から子に話がしづらい年齢になってくるので(特に異性)、学校で踏み込んだ話までして欲しい。」
「他の教科の同じように、まとまった時間を使ってやってもらいたい。」
「妊娠のことを教えるときに、それに伴う責任や、妊娠したらどういう選択肢があるのか(産む、産まない含め)もしっかり伝えるべきことだと思う。」
 
座談会に参加してくださった保護者には、お母さんだけでなく、お父さんの姿も。
「家庭で、改まって性教育をしているわけではないけれど、日常的に伝えたいことを伝えています。」
「娘自身は、今日予定がありひとりで参加しました。予定がなかったとしても来ることには抵抗があったようですが、私自身が参加することには了解してくれ、帰ったら報告するねと話をしてきました。」

 
中高生のグループでは、まずは性の知識を確認する「性教育クイズ」に取り組んでもらいました。その後、ざっくばらんにディスカッションをスタート。こんな話をしてくれました。

10代性教育座談会

 

【性に関するエピソード】
「クイズに出てきた内容が難しくてわからなかった
「私は小学校まで海外で暮らしていました。海外だと、日常的に性の会話が行われていたのに対し、日本では不潔といったネガティブなイメージで話題に出すのがタブーなのがすごく違和感でした。」
「学校の性教育の授業では、先生が早口で教科書の内容を読み上げるだけ。全然内容が伝わってこない。なので、もっと専門的な知識を持っている人から話を聞きたいと思いました。」
「周りの友達がわからない単語を連呼していて、言葉の意味をインターネットで検索して、はじめて性に関する言葉だと意味を理解しました。でもその知識も正しいのかどうかわからなくて不安でした。」

 
人によって、性の知識に差があること、きっかけがなければ知らないままに過ぎてしまう可能性があることを、中高生グループの話の中で感じました。
 
「もっと日常の中で、先生や大人と、カジュアルに性に関する会話ができるといいなと思います。授業で学ぶだけでなく、会話をすることで、その人の考え方や感情が伝わり、自分の中に入ってくるものだと思います。」
と、自身の海外経験をもとに、日本で感じる性へのタブー視について話しをしてくれた高校生の意見に、とっても納得させられました。
 
座談会に集まってくださった皆さんは、性教育に課題意識があったり、前向きに考えようとしたりしている方がご参加くださったことと思います。そうした方々の声を受け、今後、どのような情報発信をしていくのかを検討するとともに、そもそも性教育に関心のない人たちに、いかに情報を届けるのか、についても、考えていきたいと思っています!

       

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