うちの子、初潮が遅い?早い?”はじめての生理”を学んで、親子で準備しよう 

初潮の準備を親子で

小学生中学年頃になると、早い子でははじめての生理*(初潮)を迎える子がでてきます。お友だちの話を聞いて、うちの子ももうそろそろ?と、気になる保護者の方もいるでしょう。または、まだないけど遅すぎる?小学生なのに初潮を迎えたけど早すぎる?など心配な方もいるかもしれません。まずは、初潮を迎える年齢や、体重・身長との関係について解説していきます。
※医学的には「月経」と呼ばれますが、このサイトでは一般的に馴染みのある「生理」を使っています。
 

いつ頃初潮を迎えるの?初潮を迎える年齢のめやす

初潮はとても個人差が大きく、何歳になったら、という決まりはありません。初潮の平均年齢に関する調査にはさまざまな結果があり、それらの結果を総合的にみるとだいたい10歳から14歳までの間に初潮を迎える女の子が多いようです。このくらいの年齢を目安にするとよいでしょう。周りの友達が初潮を迎えているのに、うちの子はまだ…と心配な方も、14歳頃までは様子を見て、15歳頃を目安に産婦人科への受診をおすすめします。
また初潮については、BMIや体重と関係するともいわれていますが、体の大きな子でも早くに初潮を迎えない子もいますし、小柄で痩せているからといって、初潮が遅いとも限りません。年齢と同じく、体重が何kgになったら、身長が何cmになったらという決まりはありません。ただし、初潮を迎える前には急に身長が伸びたり体重が増えたりすることもあるようです。
以下で紹介するお子さんの体の変化がでてきたら、長い目でみていつ初潮を迎えてもいいように、前もって準備をするようにしましょう。
(参考:日本産婦人科医会HP

前兆はある?初潮を迎える頃のからだに起きる変化と特徴

第二次性徴がはじまると、体の様々な変化があらわれます。身長や体重、からだつきや発毛、そしてはじめての生理を迎えます(初潮)。初潮に向けて前もって準備ができるよう、初潮の前兆について知っておきたい保護者もいらっしゃるのではないでしょうか。気にかけておきたい初潮の前兆がいくつかあります。

 

急に身長が伸びたり、体重が増えたりする

初潮を迎える1年ほど前から身長の伸びのピークを迎え、急にこれまでと比べて身長が伸びることがあります。また体つきがふっくらしてくる頃に体重も増えたりします。
 

胸が少しずつ膨らんでくる

胸の成長は初潮を迎える1年以上前からスタートします。初潮の1年以上前からまず乳頭の周辺が膨らみ始め、初潮を迎える1年前から胸の全体が膨らみ始めます。
 

体がふっくらまるみを帯びてくる

おしり周りなど体つきがふっくらとし、女性らしい体形になってきます。前述のとおり、体重が増えることもありますが、自然なことなので心配はありません。
 

おりものがべったとした粘液状になる

おりものは初潮が始まる約1年前から出始めるのですが、初潮が近づいてくると女性ホルモンのバランスにより、おりものが粘液状になります。今までのおりものよりもべたっとするようになった、下着におりものがつくようになったという場合には初潮の前兆であると考えられます。
 

陰毛(性器の毛)が生えてくる

性器に少しずつ毛が生え始め、その数か月後にわき毛が生えてきます。
これらの状態がみられたら初潮を迎える日が近いということになるのですが、数日以内、数週間以内ということではなく、数ヶ月単位あるいは1年以内に初潮を迎える可能性があると考えて準備を始められるとよいでしょう。
 
参考:エリス はじめて生理を迎える女の子たちへ
関連記事:「女性ホルモン」は女の子をどう変化させる?今さら聞けない女性ホルモンの基本 
 

初潮の出血の量や色はどんな感じ?

初潮の時の経血の量には個人差があるため、一概に量がどのくらいであるか、いうことはできません。大人のように真っ赤な血液がたくさん出るというよりも少量の経血や、少し茶色っぽい経血の場合もあります。生理周期が安定してくると大人と同じような経血の色、あるいは量になってくるため、生理が始まったばかりの頃は、経血の色や量についてあまり心配する必要はありません。

どう切り出したらいい?子どもへの「はじめての生理(初潮)」の伝え方

初潮をこれから迎えるという女の子に対して保護者が気をつけておきたいことについて解説していきます。

生理用品の使い方を具体的に教えてあげる

 
学校の授業などで生理用ナプキンのつけ方について学んでいなければ、生理用品のつけ方がわからないという子がほとんど。そのため、保護者が生理用ナプキンのつけ方や交換の仕方を見せながら教えてあげましょう。お母さんが生理のときに、実際に交換する様子をみせてあげる方法もあります。エチケットとして、きちんと生理用ナプキンの包みでくるんで捨てることなども教えてあげたいですね。
また学校や習い事先など、保護者がいないところで突然出血した場合にどうすればいいのかを一緒に伝えてあげると、いざというときにも冷静に対応できます。いつ生理がはじまってもいいように、生理用ナプキンと生理用ショーツをセットでポーチにいれて鞄にいれておくと安心です。
 

生理による諸症状を伝えておく

生理はただ経血が出てくるだけではなく、生理痛が起こったり、イライラしたり精神的に不安定になったりするなどの生理前のホルモンバランスによって起こる、特徴的な症状を伝えておきましょう。前もって、どのような症状が起こることがあるか伝えることで、子どもの不安を軽くしてあげることができます。
保護者世代の中には、ご自身が子どもの頃に「生理痛はガマン」「痛み止めはクセになるから飲まない方がいい」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、生理痛はひどければお薬を使ったり医療機関に相談することができます。早く原因や対処法をみつけることで、症状が悪くなるのを止められるはずです。生理と上手に付き合っていけるよう、大人たちも上手にサポートしてあげたいですね。
また、特に初潮からしばらくは生理周期も安定しないもの。初潮の後、次の生理がいつくるか、経血量はどうか、などについても、「しばらくはバラバラで安定しなくても問題ないよ」と、お子さんが心配しないようにしてあげることも必要です。

生理が待ち遠しくなる?!親子で楽しい準備のススメ(おすすめの生理の準備本やグッズ)

 

初潮の準備を親子で02

最後に親子で生理用品の準備をするにあたりどのようなことを心がけたいかについて解説していきます。
 

初潮に対して不安にならないようポジティブな対応を

周りの友達は初潮を迎えたのに、自分はまだ…と不安になってしまう子もいます。初潮を迎えるタイミングは個人差であるため「いずれ迎えるから大丈夫だよ」と伝えましょう。15歳を目安にまだ初潮を迎えていない場合は、一度産婦人科や思春期外来のある病院に相談してみてくださいね。
また、初潮を迎えたということは妊娠をする可能性も出てきたということ。初潮の準備と合わせて妊娠や出産の知識についても伝えていくとよいでしょう。
また、初潮を迎えそうな頃に、「生理の血がついてしまうことがあるから、濃い色のズボンやスカートを履いておくといいよ」と、具体的に気をつけておくポイントを教えてあげることもできます。お母さんの場合は、「子どものとき、白い服を着ていて血で汚れてしまった」など、自分の経験を伝えながら服装についても備えていければよいですね。
(関連記事:いざという時に知っておきたい〜低年齢での妊娠・出産のリスクと相談窓口

 

生理用品やポーチはお子さんのお気に入りを見つけるのもオススメ

最近では、生理用ナプキンにもいろいろなものがあります。見た目のデザインやつけやすさ、羽の有り無し、薄さや材質などから選ばせてお気に入りを作ってあげるのも良いでしょう。
また、生理用品を収納するポーチもお気に入りを作ることで初潮を迎えることが楽しみという環境を作ることができます。またそうしたお気に入りの生理用品や生理用ショーツなど必要なものを一式そろえたものを、巾着やボックスに入れて子ども部屋やトイレに置いておくことで、ポジティブに初潮を迎えられると同時に、いざというとき慌てずに対処ができるようになります。
また、保護者世代の子どもの頃と違って、今ではさまざまな生理用品が選択肢にある時代。生理用ナプキン、タンポン以外にも、吸水性の生理用ショーツや月経カップなどがあることも教えておいてあげるとよいでしょう。まずは生理用ナプキンからはじめて、年齢を重ねてきたら、生理の状態や生活スタイルによってそれぞれの生理用品を試してみてはいかがでしょうか。「自分が使っていないと、子どもに使わせるのは不安」という保護者も、ぜひ一緒に使い方を学んで、生理用品の知識をアップデートしてみてくださいね。

初潮を迎える前後の女の子におすすめの本

「13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと」(かんき出版、やまがたてるえ著)
心と身体の成長、初潮…大人の女性になるのが楽しみになる本!生理が始まる頃の女の子を対象にした文章とイラストで書かれているため、小学生のお子さんでも抵抗なく読みやすい本です。初潮を迎える前に保護者からプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

 
 

 

監修:やまがた てるえ

イラスト:ぴよとと なつき

ライティング:RAY/看護師資格を取得後、総合病院、クリニック、老人保健施設で勤務。1年間の出版社での勤務を経てライターとして独立。医療、介護、ヘルスケア分野の記事を多岐にわたり執筆中。


専門家(助産師やまがたてるえさん)の一言アドバイス:

子どもの成長に合わせて大人が月経(生理)について学び直しをするチャンスだととらえて、一緒に本を読んだり、調べたり、商品を探したりしていくことで、主体的に自分たちの体を肯定的にとらえるアプローチになっていきます。ついついネガティブな経験を語りがちな生理についてもっと快適に、ポジティブに大人が捉えなおしができたならば、親子でも同じように、その対話の機会を主体的に増やすことできるようになります。
ここ数年より快適に月経の期間を過ごす商品も増えていますし、かかりつけ婦人科を見つけて親子で健康について対話ができることも、大人になるための変化の体の不安の解消にもつながっていきます。時代にあわせて親子で成長しあうことを楽しみましょう。

やまがたてるえさん

やまがた てるえ

助産師、チャイルドファミリーコンサルタント、メンタル心理カウンセラー、セラピスト

著書:『13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと』かんき出版、『15歳までの女の子に伝えたい自分の体と心の守り方』かんき出版 ほか作家としても活動。 NPO法人ピルコンアドバイザー NPO法人子育て学協会理事 地域の子育て相談のほか、性の健康教育や子育てについての講座講演活動を行う

HP https://www.hahanoki.com/

ブログ http://ameblo.jp/birth-therapist/

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