子どものギモンにどう答える?今日からできる子どもと体の話<幼児期からの性教育Q&A>

「妊娠を希望している方」「妊娠期間の方」「未就学児を子育て中の方」にむけた医療・ヘルスケア情報を発信している「はぐふる」と性教育サイト命育による、子どもの健康教育セミナーが開催されました。
第5回目となる今回は、第1部では「性教育」(助産師・田中まゆ先生)、第2部では「低身長」(医療法人社団 育心会 新川崎ふたばクリニック小児科・皮膚科 名誉院長 佐藤清二先生)より、お話を伺いました。
以下では、第1部「性教育」についての保護者からのお悩み・ご質問とその回答を紹介いたします。
(ご質問は、一部汎用的な内容になるように文章を調整しています)
監修:助産師 田中まゆ
小さな子どもへの性教育について、保護者からのご質問
質問:幼児期から性教育をすることのメリット・必要性は何ですか?
「おもろい」につきます。
というのも、子どもは性の話をしたときに大人としては予想外な、面白い、ビックリする反応をたくさん見せてくれます。
聞いていない、覚えていない、途中で話が終わる、なども頻繁にあるので、繰り返し何度も話を積み重ねることになり、大人自身が性の話題を話す練習にもなります。
そうすることで、日ごろから性の話ができる関係づくりにつながることも、大きなメリットです。
「おもろい」と感じ、性をタブーにせず、幼児期から性教育をすることで、子どもにとって「相談しやすい大人・関係性」になり、子どもにとって救いになります。
質問:子どもからの性に関する質問にどう答えたらいいの?答え方のコツは?
質問されたことにだけ、「一問一答」で答えましょう。
以下のポイントを覚えておくと、いざという時に答えやすくなります。
・1から10まで全てを説明しようとしないこと
・がんばって話をしても聞いていないことも多い(気合いは不要)
・会話のキャッチボールを積み重ねておく
・答えを後回しにしても良い(「調べておくね」と後で答える)
質問:父親が外国人で、ボディタッチが多めです。子どもたちが真似して、私(母親)のお尻を触ってきます。どのように声かけしたら良いですか?
ご自身がたとえイヤだと思っていない場合でも、プライベートゾーン(口、胸、おまた、お尻)はむやみに触ったり簡単にあらわにしない空気作りをすることで、子どもの体を守ることにも繋がります。
そしてプライベートゾーン以外でも、他の人の体に触れるときは「どこを」「誰に」「どんなときに」触れていいかは、その状況によって違う、ことを伝えられるとよいです。
パパのボディタッチをイヤだと思っていなくても、他の人が同じというわけではない、ということは当然あります。相手に「触っていい?」と確認して、その人の同意をとることが大切だということを、教えてあげてください。
また、子どもから体を触られてイヤだと感じた場合は、「いまはやめてね」「それはちょっとイヤだな」と、保護者自身の気持ちを素直に言葉で伝えることも大切です。
そうすることで、子どもが「相手の気持ちを聞く」「自分の気持ちを伝える」両方を学ぶきっかけになります。
質問:小学生の女の子、リビングでお股を触っていることが頻繁にあります。他のことに興味をそらしたり、プライベートゾーンの絵本をみせたりしていますが、また触ってしまいます。「ダメ」というのではなく、どのように対応すればよいでしょうか?
まず前提としては、「自分の体を自分で触るのはOK」。
「人前では触らない」と伝えると同時に、「どんな状況なら触っても良いのか」も明確に伝えてあげるといいと思います。
触っていい場所としては、自分の部屋(あれば)、布団の中、トイレ、(1人で入っていれば)お風呂など。
ルールは内容を変えることなく、明確に、何度も繰り返し伝えていくことで、行動に繋がっていきます。
質問:8歳と10歳の子どもに、「赤ちゃんが生まれること」についての質問について、数年、回答を濁しています。どのように伝えたらいいですか?
聞かれたことだけに答えること、が大事です。
<STEP1>「赤ちゃんは、どうやってできるの?」
「女性がもっている赤ちゃんのもとと、男性がもっている赤ちゃんのもとがくっつくと、赤ちゃんができるよ」
生殖について、まず伝えるべきはここです。
だいたい小学生以上で、離れている2つのものがどうやってくっつくのか?の疑問になることができ、その説明の理解ができるようになります。
<STEP1>「女性と男性、それぞれで離れて持っている赤ちゃんのもとが、どうやってくっつくの?」
「女性のお腹の中で赤ちゃんが育つよね(これは多く子どもがすでに認識しています)。
男性がもっている赤ちゃんのもとを、女性がもっている赤ちゃんのもとに届けるよ。
その持っていく方法としては、①セックス ②人工授精 ③顕微授精(※)など色んな方法があるよ。」
また、妊娠していることや赤ちゃんがいることに対して、他の人が見てどのように妊娠したのか?は分からないし、決めつけられない。その人にとってプライベートなことだから、ズケズケと聞いていい話ではない、ということも合わせて伝えられるといいです。
※ 子どもに分かりやすく説明するなら
「セックス」…「男の人の赤ちゃんのもと(精子)はペニスから出てくる。だから、女の人の腟(赤ちゃんが育つところに繋がる道)から直接お腹の中に届ける方法」
「人工授精」…「精子を注射器で吸って、赤ちゃんが育つところに直接届ける方法」
「顕微授精」…「赤ちゃんのもど同士(精子と卵子)を取り出して、人がくっつけてから女の人のお腹に戻す方法」
質問:家で性の話をすると、家の外でもふざけて喋ってしまわないか心配です。
プライベートゾーン(口、胸、おまた、お尻)は自分だけの大切な場所。ということを伝えるのと同時に、プライベートゾーンに関わることを話すのはおうちの中だけ、というルールも伝えると良いです。
家の中でプライベートゾーンの名称や、下ネタワードを連呼するような時は特に怒ったりせずに傍観しておいて、外でそのようなワードや話題が出た時は「お外では言わないよ」と注意する。
このようにメリハリをつけた対応をすると、ルールとして定着しやすいです。
ここで、家の中でも外でも、注意したり何も言わなかったりと態度を変えてしまうとルールになりにくいので、一貫した対応をとることが大切です。
質問:小さな子どもの性に関するトラブルについて、周りの環境が起因しているのではないか、と考えられるケースはありますか?
1歳や2歳などの特に小さなお子さんで、人のプライベートゾーンに集中して触るなどの行動(例えば男の子が女の子や女の人の体を触るような行動)については、性的な欲求からそうするものではなく、そうすることで周りが過度に反応することを楽しい、嬉しいと認識してしまっていて、一層そうした行動をしてしまうのではないか、と思われます。
子どもだから仕方ない、男の子だからそうなんだ、などと決めつけるのではなく、人との関わりについてちゃんと子どもに繰り返し教えていく、という環境があることは大切だと思います。
質問:父親だからこそできる性教育、父親が話をするときに気をつけること(特に女の子に)はありますか?
未就学児への性教育として、特別母親がこうする、父親がこうする、ということはありません。(小学生以上で第二次性徴について扱う場面で、父親→息子へ、という環境を作ることはありだと思いますが、絶対にそうしなければならないということはありません)
気を付けることとしては、やはり「子どもを1人の人間として尊重する」ことだと思います。これは父親としても母親としてもそうです。
講座の中でもお伝えしたように、「何でもオープンに話す」=「性教育」なのではありません。
対異性としてのことを言うならば、体について指摘することや、興味や経験について聞く・話すことなど、異性の大人に対して簡単にしないようなことは、子どもに対しても簡単にせず配慮することが必要です。
自分の体のことや意見を大切にしてくれる異性が、身近に居るという環境を当たり前のものとして作ることは、異性親としてできる大切なことだと思います。
回答・監修:助産師 田中まゆ先生
田中 まゆ
一般社団法人 ココツリー代表理事、助産師、思春期保健相談士
2010年から性教育活動を始め、小・中・高等学校での性教育講演や、保護者や学校関係者など大人に向けての講演など、幅広く対象に合わせた講演活動を実施している。2児の母。
著書「みがまえなくても大丈夫!性教育は、こわくない」IAP出版
命育コンテンツ協力:伝え方ナビ、お悩みQ&A










