<レポート>Family Heart Talks~幼少期からの「いのちの授業」@杉並が開催されました

2024年4月初旬、杉並区のセシオン杉並にて開催されたイベント「Family heart talks 幼少期からの いのちの授業」。100名を超えるご家族に参加いただきました。
 

当イベントは、自身の子育ての経験を通じて”子どもとの性の会話の大切さ”を実感したという、モデルでクリエイターの鈴木えみさんを発起人とし、同じ課題意識を持つ企業複数社が集い、企画されたもの。
講師は、自身も子育て中の母でもある、助産師のちゃぁ~先生こと小島智文先生。幼児〜小学校低学年頃のお子さんやその保護者に向けて、家庭でできる性教育についてお話いただきました。
 
お父さんお母さんなど大人の方や、お子さんたちが集まり、にぎやかな雰囲気のなか行われたイベントの様子を少しご紹介します!ぜひイベントに参加した気分で、お子さんと考えてみてくださいね。

 

幼児期から知ってほしい知識「プライベートゾーンを知ろう!」

第一部では、ちゃぁ~先生から、からだの大切な場所「プライベートゾーン」について、お子さんに向けてお話をいただきました。
 
司会者が「お友達と、くすぐられたり、くすぐったりしたことはあるかな?」と聞いてみると、「ある~!」と元気いっぱいの返事が返ってきました。
 
しかし、お友達とくすぐりあいっこをするとき、相手も楽しんでいるとは限りません。
 
ここでは、「~してもいい?」と、気持ちを確認する「同意」が大切だとお話しがありました。
 
「とくにお友達の体にふれるときには、相手の気持ちを考えてあげてほしいな。自分が良いと思っていても、相手は嫌がっていることもあるからね。」
 
小さなときから、相手に何かをするときには気持ちを確認する(同意をとる)、という習慣を身につけることで、自分や相手のからだを尊重したり、この先成長してからの性的同意をできるようになったり、につながります。

「プライベートゾーン」って、何だろう?

最近は、絵本で聞いたり、園や学校で教わったりすることも増えてきた「プライベートゾーン」という言葉。知ってはいるけど、うまくお子さんに伝えられていない保護者も少なくないのでは。
 
「みんな、プライベートゾーンって、知っているかな?」と聞くと、元気な声で「知ってる~!」とたくさんの子供たちから手が上がりました。
 
「多くの子たちが、プライベートゾーンを知っているんだね!すごい。」

 

プライベートゾーンはからだの大切なところ

 

「下着で隠れるところと口」は、プライベートゾーンといって、自分の大切なところ。誰かのプライベートゾーンを見たり触ろうとすることは、もちろん、ダメ。
 
「そしたら・・・。自分のプライベートゾーンを、誰かに見せたり、触らせようとすることは、どうかな?」
「ダメ~!」
 
ここでも、多くの子どもたちから声があがりました。自分のプライベートゾーンをみせることも、自分や相手のプライベートゾーンを大切にしない行為であり、誰かをとても傷つけることにつながる、ということを、改めて親子で再認識していただきました。

 

<プチ知識>
・自分のプライベートゾーンを自分で触る、という行為は全く問題ない行為。ただし、特に性器はデリケートな場所なので清潔な手で優しく触ることや、一人になれる場所で行うこと、などのお約束を伝えておきましょう。
 
幼児の自慰行為について詳しくは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
関連記事:幼児の自慰行為(じいこうい)、原因と知っておきたい親の対応は?
https://meiiku.com/howtonavi/preschool_jii/

 

「やめて(NO)」「にげる(GO)」「話をする(TELL)」を家族共通のキーワードに

「プライベートゾーンのことを親子で知ってもらった後は、もし、プライベートゾーンやからだのことで少しでも「怖いな」「イヤだな」と感じたらどうしたらいいのか、ちゃぁ~先生からポイントを紹介いただきました。
 
「そんなときは、『やめて(NO!)』と言っていいんだよ。それから、すぐにその場から『逃げる(GO)』こと。
 
 
でも、やめてって言うのって、とっても難しいから、言えないことだってあるよね。何より大切なことは、怖い思いをしたことをパパやママ、周囲の大人に『話をする(TELL)』こと。」
 
 
この後、3つのお約束「NO」「GO」「TELL」※を、会場にいる皆さんで言ってみることで「家族の共通のキーワード」として、知っていただきました。
おうちに帰ってからも、お子さんと一緒に思い出してもらえると嬉しいです。

NO、GO、TELLのイラスト
※「NO,GO,TELL」は、NPO保人CAPセンターJAPANによるプログラムです。

 
 

保護者向けタイム!お父さん、お母さんから出るリアルな悩み・質問

第二部は、子ども達は別室でお絵描きやワークショップを楽しんでもらい、保護者向けの時間。
事前に寄せられた質問やよくある保護者の悩みに、鈴木えみさんとちゃぁ~先生に対談形式で答えていただきました。
 
小学生の娘さんがいる鈴木えみさん。一保護者として、質問内容に共感しながら、日頃感じていること、自身が取り組んでいることを、ちゃぁ~先生に問いかけていきます。

例えば、こんな質問が紹介されました。

質問:子どもが性的ないたずらをされたとき、ちゃんと親に話をしてくれるようになるにはどのようなことが大切ですか?

 

―ちゃぁ~先生
 
日頃からなんでも話し合える関係性をつくっておく、というのがとても大切。性のことに限らず、どのようなことでも、頭ごなしに否定するのではなく、受け止めてあげるということを日常的にしていることで、困ったときに話をしてくれる土台になると思います。

 

―えみさん
 
私は、イヤなことも、嬉しかったことと同じように話をしていいよ、と伝えるために、娘とは毎日、「イヤだったこと」「嬉しかったこと」をお互いに話をしています。
大人自身がイヤだったことを吐き出すことで、娘はイヤなことも言っていいんだ、と思ってくれていると感じています。

 

その他にも、異性のきょうだいや家族とのお風呂についてや、学校でのお着替え事情(男女一緒の教室で着替える)、パートナー間での性教育に関する価値観や姿勢の共有についてなど、さまざまな質問が、保護者の皆さんからあがりました。
 
「夫を性教育に巻き込むにはどうしたらいいか?」という女性からのご質問には、参加されていた男性から「自分が興味を持てるもの、趣味などをきっかけに話を広げられると、男性としては関わりやすくなりますよ」といった、男性視点でのアドバイスも。
 
例えば、植物の受精や昆虫・動物の交尾などの説明から入ってみる、など、淡々と説明しやすい分野から会話を広げてもらう、というのも一つの手のようです。

(子ども向けワークショップの様子①:ダンスのお兄さん「ゆうちゃん」や元劇団四季団員の皆さんと表現を楽しむ子どもたち)

 
 

(子ども向けワークショップの様子②:大きな紙に自由にお絵描き!)

 
 

親子で学ぶ性教育イベントは、子どもは楽しく遊びながら、大人は他の人と疑問や悩みを共有していただきながら、幼児期からの性教育を学んでいただくひとときとなりました!
 
今後も、各地で実施していく予定です。ぜひまたお近くで開催する際には、足を運んでみてくださいね!

 
共同主催: 命育✕マザーズ✕コロリドー|後援:famione(ファミワン)

       

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