中高生のリアルな“性”の悩みを解決!知識を学ぼう「『みんなの性の悩み聞かせて』サッコ先生と!オンライン保健室」セミナー開催

11月27日、「『みんなの性の悩み聞かせて』サッコ先生と!オンライン保健室」を開催し、多くの中高生男女の皆さんに、ご参加いただきました。
朝日中高生新聞で性教育のコラムを連載中の産婦人科医サッコ先生が、クイズ形式で性の知識を解説。そして中高生のみなさんからよせられた「性の悩み」に対して明るく、わかりやすく解答してくれることで性の知識を学べるセミナーです。
 
中高生のみなさんはどんな「性のお悩み」を持っていて、サッコ先生からは、どんなお話が聞けるのでしょう?セミナーの様子をお届けします。
(※ページ最後にセミナーの動画もありますので、保護者や周囲の大人の方もぜひご覧になってください)
 

■ きみは、いくつ知っているかな?「“性”の知識クイズ」

 
まずは、参加者のみなさんが投票機能を使いながら性に関する問題に答える参加型のクイズが始まりました。一部紹介しますので、ぜひ挑戦してみてください!
 

質問:避妊に避妊に失敗したときに後から飲むと避妊できる薬がある。「○」か「☓」か?

答え:〇
緊急避妊薬は、避妊に失敗したとき、避妊なしの性行為があったとき、性犯罪の被害に巻き込まれてしまったときに3日以内、72時間以内にあとからお薬を飲むことで望まない妊娠を90%以上、防ぐことができるという飲み薬があります。
現在は、病院を受診して処方してもらうお薬ですが、これが薬局で販売できるようになるといいなという活動が盛り上がっているところです。

 

質問:部屋に二人きりの時には、いちいち確認しなくても何をしてもよいというサインだ。「○」か「☓」か?

答え:× 
多くの中高生が正解でした。「当たり前だよ!」と思うかもしれませんが、自分だけで何でも決めていいんじゃないということをみなさんがきちんと知っているということが嬉しいです!
黙っている=「OKだな」と勝手に勘違いして進めてしまうことではなく、相手から「Yes」という言葉で気持ちを確認し合える関係性が大切です。そのことをみなさんがよく知っていて安心しました。

 

質問:生理痛に痛み止めを使う時は、なるべく我慢して、どうしようもなくなったら飲む。「○」か「☓」か?

答え:×
 
実は、痛み止めは、生理痛が始まる前、もしくは始まったすぐあとに飲んだ方が効果はよく出ます。
仕組みとしては、子宮内膜からプロスタグランジンという成分が出てきて子宮の収縮を強くすることで痛みが出るのですが、痛み止めの成分にはプロスタグランジンを抑える働きがあるので、早めに飲むことが大切になってきます。
また、いつ生理が始まっても対応できるように飲みなれた痛み止めをいつでも手元に持っておくこと。生理用ナプキンと痛み止めの薬を一緒に持ち歩いておくとよいですよ。
そして、親御さんの中には「痛み止めが癖になる」と思っている方もいらっしゃると思いますので、そうではないということが伝わるといいなと思います。

 
全8問のクイズに参加者のみなさんが、とても意欲的に参加してくれました。正解率の高さから“性”への関心が高いことが伺えました。サッコ先生の解説も具体的でわかりやすく中高生のみなさんにもしっかり届いたことでしょう。
 

■ 自分の心も身体も大事にする! みんなの性の悩みに答えます。

 
事前のアンケートやチャットには、多数の質問が寄せられました!
「将来に向けての不安な気持」ちや「今、感じているリアルな悩み」にサッコ先生が寄り添って、ていねいに答えてくれました。“性”と向き合う中で、どのように自分の心と身体を大事にしていけばいいか……紹介したいと思います。
 

◇将来、性行為をしたいと思ったとき、避妊はもちろんですが、それ以外にどんな準備が必要ですか?

 
「将来、素晴らしいパートナーに出会えて、性行為をするという関係に進むということは大人の階段を上る一歩と考えられます。そのときに『避妊はもちろんですが…』という質問にとっても安心感を覚えました」と、笑顔で答えるサッコ先生。
 
性行為を意識したいときに知っておいてほしいことは、大きく3つ。
 
1.避妊の知識と避妊に必要な道具を手に入れること
妊娠をしたいと思うときや、そうでないときに避妊のことを知識として知っておくことはもちろん、避妊の道具を手に入れることも大切です。
避妊の方法には『コンドーム』『低用量ピル』『子宮内避妊具』などがありますが、その避妊の方法に辿り着くことができるということが重要です。避妊に必要な道具を「どこに買いに行けばいいのかわからない」「買いに行くのが恥ずかしい」「お金がなくて買えない」という問題に直面している間は、準備ができていないのでまだ、性行為の段階に進むタイミングではないのかなという風に思います。
 
2.性感染症のリスク
性行為がパートナーとの豊かな素敵なものだったとしてもそこには、性感染症のリスクが必ず伴います。そして性感染症には、“予防する方法”“検査する方法”“治療する方法”もあるということもふまえて、性行為をするのであれば、性感染症と「どう向き合っていくのか」ということも知っていなければいけません。
性行為をしたあとに「なんか変」「いつもと違う」と感じる異変に気付いたときに「誰に」「どこに」相談すればいいのかを知っていて、それから性行為という段階に進んでもらいたいと思います。
 
3.パートナーとの関係性
性行為は「心」と「心」、「身体」と「身体」をさらけ出す、深いコミュニケーションです。イヤな時に「イヤ」と言えること、イヤと言われたときに「今じゃなかったんだな」と受け止められることそうしたコミュニケーションができる関係性がある相手とのステップだと思ってもらいたいです。
なんでも言える相手じゃない時に、その段階を求められたときに「今、自分はその段階ではないと思っている」ということをきちんと線を引いて言えるかどうか、シミュレーションなどをして準備をしておくということも大切だと思っています。
 
他にも、「避妊目的のピルは何歳くらいから飲み始めるのが最適ですか?」「性行為の経験がなくてもタンポンや月経カップを使うことはできますか?」というピルや生理用品に関する質問から、「大切なことなのに学校で十分な知識を教えてもらうことができない。海外の性教育はどうなのでしょうか?」といった性教育への課題感からくる疑問まで、さまざまな質問にサッコ先生から回答いただきました。
 

■ さいごに

 

1時間があっという間に感じられるほど、私たち大人にとっても、とても学びの多い話をきくことができました。先生からの「知識は、『鎧でお守り』です!いっぱい勉強しましょう!」という言葉が、これから大人の階段をのぼっていく中高生のみなさんの宝物になったのでは、と感じたオンラインセミナーでした。
これをきっかけに「もっと知りたい」と思った中高生のみなさん、保護者の方は、是非、サッコ先生と命育が情報を発信しているWEBや動画、書籍などの取り組みも参考にしてくださいね。
 
▼「サッコ先生と!オンライン保健室」の様子を動画で視聴できます。

 

 高橋幸子先生監修、保護者向け書籍『子どもと性の話、はじめませんか?—からだ・性・防犯・ネットリテラシーの伝え方』(出版:CCCメディアハウス)

 
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