保護者が性と向き合うきっかけに『子どもと性の話、はじめませんか? ーからだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」』を夫婦で読んでみた

保護者向け性教育本_命育『子どもと性の話はじめませんか』メイン

■ ​​みんな悩んでいる!?「子どもと性」との向き合い方

昔からの友人たちとの会話は、以前は、恋バナや脱毛・エステなど、自分のことが中心。でも、お互いママになって、最近では子どもに関することが増えました。ある日、いつもの母親同士による女子会で「子どもと性」の話題に。
 
思春期の娘がSNSなどで性的な犯罪に巻き込まれないか怖い、保育園に通う息子が性器の名前を連呼するので困るなど、子どもの年齢、性別は様々だけど、みんな子育ての中で、何かしら性の不安や悩みを抱えていました。脱毛の悩みのことなら、お互いの体験談を元におすすめのサロンを紹介しあえたけど、性教育の話になると、なぜかみんな自信が持てない。
それもそのはず、学校で性教育を受けてはいるけど、当時は当事者意識を持てず、あまり記憶に残っていない。だからこそ、学校まかせではなく、家庭での性教育が大切なんだろうけど、はじめるきっかけが分からない…。
 
そんな、家庭での性教育に迷いのある保護者の手助けになるのが、今回、命育から出版された『子どもと性の話、はじめませんか? – からだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」』です。
 

■ ​​「保護者自身のプライバシーも大切にしてOK」にホッと安心。保護者自身の抵抗感に丁寧に向き合った一冊

この本の中では、性教育の心得と共に、幼児期・児童期・思春期のそれぞれの時期によくある疑問や悩み、それに対する具体的な伝え方が紹介されています。巻末には、かわいいイラスト付録やそれぞれの時期に合ったおすすめの性教育本なども紹介されていて、内容は盛りだくさん。
 
私自身、安心感を覚えたのが、性教育の心得として「保護者自身のプライバシーも大切にして良い」ということ。性教育って、性についてオープンに話すことだと思っていたので、親の私にとっても「答えたくない質問をされた時どうしよう」と精神的なハードルが高いものになっていました。
でも、性教育の目的は、性的なことを語り合うことではなく、自分や相手のことを尊重し合える意識を育むこと。だから、ママだって「触れて欲しくないプライベートな話題については、答えられないよ」と断っても良いんですね!(そして、「プライベートな話題に答えたくないよ」と言ってもいい、ということを教えてあげられるきっかけにもなる!)
 
子どもの年代別のよくある悩みや疑問については、幼児期の子どもがいる我が家にも、あるあるな内容でした。いつか子どもから聞かれるであろう「赤ちゃんはどこからくるの?」といった問いへの答え方についても丁寧に具体的な会話で説明されていて、あまり身構える必要はないんだなと安心しました。
思えば、私がどうやって子どもができるのか知ったのは、親からではなく、小学校高学年の時、友人の話がきっかけでした。当時は、両親が悪いことをしたから自分が生まれてきたような、何だか後めたい気持ちになったことを覚えています。でも、子どもができるって素晴らしいこと。歪んだ性の知識に触れる前に、子どもの疑問にちゃんと向き合って教えてあげたい。そして性のことに限らず、そういう親子の関係性を大事にしていきたいと思いました。

保護者向け性教育本_命育『子どもと性の話はじめませんか』

 

■ 次の成長ステージへの心の準備にもなる

自分の子がまだ幼児であっても、児童期、思春期の章については、今後子育てをしていく中で、こんな悩みに直面する場面が出てくるんだ、こういうことを伝えていけばよいんだ、という心の準備にもつながります。
特に、今はインターネットやスマホと切り離せない時代。本の中では、自分たちが子どもの時とは異なる時代の中で、それらのツールとどのように向き合えば良いかというヒントについても説明されています。子どもにとってのアダルトサイトの問題点についても、「アダルトサイトは現実とは違う」というだけでなくどこがどのように違うのか、とても具体的に書かれていて、納得できました。
 
また、子どもの性別に応じた悩みについても触れられています。私自身、2人の男女の母親です。女の子のことは、自分も経験しているので何となく想像できるこけど、異性の子どもの性の悩みについては分からないことも多いので、今後参考にしたいと思いました。
 
お子さんの年齢によっては、性教育のタイミングを逃したまま多感な時期を迎えてしまったというケースもあると思います。そんな方のためにも、性教育のキャッチアップ方法が紹介されているので、「今さら…」と考えず、試してみても良いかも。
   

■ パパも読んでみたところ…父親にもできることがたくさんあると知る!

保護者向け性教育本_命育『子どもと性の話はじめませんか』パパにもおすすめ

異性の性のことについては知らないことが多い!ということで、夫にもこの本を読んでもらいました。
 
生理のときの経血や、精液がついた下着を自分で洗うことや洗い方、コンドーム以外の避妊方法など、「こんなこと学校で教わってない」と初めて知ることも多かった様子。また、子宮頸ガンは女性だけの話だと思っていたようですが、その原因となるウィルスには男女問わず感染する可能性があり、世界では男性もHPVワクチンを受けるようになっているということなどにも驚きがあったようです。
 
本を読み終えた後、自分たちが受けてきた性教育では不十分で、まずは親である自分たち自身が性に関する知識をアップデートしていくことが大切だという気づきにも繋がり、読み応えがあったと話していました。
 
そして何より、特に男の子がいる場合は、男性の保護者からできる性教育もたくさんあるということを知り、性教育へのやる気につながったことが、ありがたかったです。パパ、頼りにしてるよ!
 

■ 日常的にできるから、肩の力を抜いて「性教育をはじめてみようかな」のきっかけに

10代の頃の私にとって、性教育は学校の保健体育の時間しか触れてはいけない、ちょっとタブーな存在でした。この本は、そんな、性の話=タブーという呪縛から大人たちを解放し、子どもたちと肩の力を抜いて性の話をするきっかけ作りに役立つ一冊です。
子どもは一人一人違うから、学校で教わる時ではなく、子どもが性に興味を持った時が、性教育のタイミング。自分の子どもにその時が来た時、ちゃんと向き合えるよう、今後も私自身、性教育について学んでいきたいです。
 

 

       

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