【レポート】PTA’S+命育「PTAからはじめる性教育」セミナー開催しました

pta性教育講演

12月6日、PTA専用マッチングプラットフォーム「PTA’S(ピータス)」主催のもと、PTAが主体となって学校での性教育講演を後押しすることについて考える「PTAからはじめる性教育セミナー」が開催されました。
全国(北海道から沖縄まで)からPTA関係者(園の父母会・学校PTA等)、先生や保護者などに参加いただき、キャンセル待ちをしていただく人がでてきたほどの関心の高さでした。
 
今回のセミナーは、
「『PTAだからこそできる、子ども達のための活動』のひとつとして性教育がある」と考えるPTA’Sと、「家庭環境によらずすべての子どもに性の知識を届けるためには、家庭だけでなく集団の場での性教育が必要」と考える性教育サイト「命育」とのコラボにより開催。
PTAが学校に働きかけ予算をサポートすることで、学校での外部講師による性教育講演※を後押しする可能性を提案しました。
 
命育は、幼児期、児童期、思春期それぞれの保護者から寄せられるお悩みや疑問を紹介させていただき、年齢に応じた性教育導入のポイント、実際に性教育講演会を実施されたPTAの声、などを伝えさせていただきました。
またPTAの実情に詳しいPTA’Sと共に、園や学校などの集団の場での性教育の意義や、外部講師を活用して性教育の講演を実施するための学校との連携方法についても、ディスカッションをさせていただきました。
 

※1 「妊娠に至る過程は取り扱わない」等のいわゆる歯止め規定があり学校での性教育に制限があるなかで、「学校における性に関する指導及び関連する取組の状況について」(令和4年,文部科学省)にて、「厚生労働省と連携し、性に関する指導において産婦人科医や助産師等の外部講師を活用することについて教育委員会へ周知」と明記され、外部講師からであれば踏み込んだ性教育が可能に。

 

アンケートからみる家庭での性教育の現状と学校の性教育に対する満足度

家庭での性教育に関するアンケート

学校での性教育への満足度アンケート

ところで、実のところ「家庭での性教育の現状」はどのようなものでしょうか?
命育が独自で行ったアンケート調査(お子さまがいる方対象 n=273)※2 では、「子どもへの性教育に自信はあるか?」という質問に対して 83.5%もの保護者が「自信がない/あまり自信がない」と回答。一方で、「学校の性教育に満足していますか?」という質問に対しては、「十分満足している/満足している」と回答する保護者は、14.3%程度しかいませんでした。
 
また、乳幼児のお子さんを持つ保護者行った調査「保健師等による幼児等低年齢児の保護者に対する効果的な性教育方法に関する調査研究事業報告書」(n=2,215)※3 においても
家庭において子どもと性に関する会話を、「必要だと思う・やや必要だと思う」と回答した保護者は52.6%に対して、子どもから性に関する質問をされて「会話をした経験がある」保護者は25.6%にとどまりました。
 
最近は、性教育の必要性がさまざまなところで言及されている中ですが、保護者世代自身、子どもの頃に十分に性教育を受けておらず、性の話題がタブー視されてきた風潮の中で、多くの保護者が学校での性教育だけでは満足できず、子供への性教育に課題を感じていると思われます。
 

※2 独自アンケート(「命育」,2019)
※3「保健師等による幼児等低年齢児の保護者に対する効果的な性教育方法に関する調査研究事業報告書」(実施事業者「命育」,令和3年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)

 

参加者の声

PTA’Sに寄せられた参加者の皆さまからの感想を一部ご紹介させていただきます。
 
・PTAから性教育する上でのアプローチ、メリットなど聞けてよかったです。
・学校へのアプローチの仕方等、具体的に教えていただき、大変参考になりました。
PTAと教員との思いの共有、すり合わせが大事なんですね。どちらかの思いだけでなく、大切にしたいです。
・保護者も現場の先生も性教育の必要性は感じているが実施する自信がない、誰に頼んだらいいのか分からない、どんな話をされるかわからなくて不安、子どもの反応が不安、と感じていることがよく分かった。今後わが子が大きくなったときに学校でみんなに共通して性教育を学んでもらえる環境が整うように今できることを探していきたい
・家庭での性教育も大切だが、どの家庭環境でも、先生も生徒も親も共通認識をもつために学校での性教育が大切だとより感じた。
・私たちPTA本部役員や、常任委員の間では、情報が溢れる現代だからこそ、正しい「性教育」が必要だという意識はあるものの、ほぼ保健体育の教育課程イメージだったので、正直やりづらいと感じていた。
ただ、思春期講座的な切り口から入れば、恋愛交際の関係性からの、性暴力、デートDVなど、子供たちを、性犯罪の被害者や加害者にさせないといった視点の講座もありだと思った。
 
「子どもたちに性の知識を届けるために、PTAが主体となって、できることを検討していきたい」そんな思いを参加者の皆さまから感じたセミナーでした。

       

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