クイズを楽しみながら「良い関係性って?」を考える「関係性ワークショップ」開催レポート

新しい出会いがはじまる4月を前に、命育では、小学生以上のお子さん向け「関係性ワークショップ」を開催しました。クイズに挑戦したり、4コマ漫画のセリフを考えてみたり、楽しみながら「良い関係性って、どんな関係?」を知ることができる性教育ワークショップです。
ゲストには、「にじいろ」という名で活躍されている思春期保健相談士の中谷奈央子さんもお子さんと一緒に参加いただき、オンラインワークショップということで、全国から約60組のお子さん(多くは小学生低学年~中学生まで)やご家族にお申込みいただきました。
 

※ 関係性ワークショップは、「Relationship Book ふたりでつくる本」(監修:思春期保健相談士 中谷奈央子さん)を参考に企画・構成した、命育主催のワークショップです。「Relationship Book ふたりでつくる本」の内容はこちらからご覧いただけます。

 

「関係性」は性を学ぶ上で大切なテーマ

関係性ワークショップ01

性教育というのは、妊娠や出産、身体のことを学ぶだけでなく、相手の気持ちを確認する「同意」、からだの大切なところ、プライベートゾーン、性の多様性、情報のリテラシーまで、さまざまなテーマがあります。
「関係性」を学ぶことで、友達関係や恋愛関係において、自分や相手を大切にすることができるようになります。「関係性」は、性について知る上で、とっても大切なテーマなのです。
では、ワークショップの内容をみてみましょう!
 

アニメーション動画でみる「同意」「境界線」

アメリカのNGO団体(プランド・ペアレンフッド)による「小学生の子どもに良い関係性って、どういう関係?」を伝える動画をみんなでみたあと、動画で紹介されていた関係性づくりのために大切なポイントについて考えてみました。

・自分や相手との「境界線」

人には、目に見えないバリア「境界線」がある
自分の境界線は大切にして◎他の人の境界線も大切に
 

関係性ワークショップ02境界線と同意

・同意「~してもいい?」

他の人の体や顔にふれるときには、「さわってもいい?」と聞く
「イヤ=イヤ」ということ、すぐにやめる
だれが、自分の体にさわっていいかは、自分で決めていい

・コミュニケーションスキル

話すこと、聞くこと、をどちらもくり返し行う
自分がどう感じているかを伝える「I(アイ)メッセージ」(僕は/私は~)を使う
 

関連記事:
関係性ワークショップで視聴した「小学生の子どもに良い関係性って、どうやって伝える?」動画はこちらから

 

関係性ワークショップ!4つのクイズに挑戦

さあ、ここからはクイズに挑戦しながら、関係性についてたくさん考える時間です。用意したのは、以下のような4つのクイズです。
 
クイズ① 表情クイズ どんな気持ちをあらわしている?
クイズ② 4コマ漫画のセリフを考えてみよう!
クイズ③ 関係性チェック!あなたとあのひとはどんな関係?
クイズ④ 困ったとき、どうする?相談できるひとを3人探そう
 
「表情クイズ」は、自分の気持ちを表情で伝えたり、相手の気持ちを表情から読み取ったりするクイズです。ご兄弟や親子で当てあいっこをしてもらったり、一人で参加してくれているお子さんには、命育スタッフが表情をつくって当ててもらいました。
複雑な気持ちだと、ときに意見がわかれたりしながらも、たくさんチャットをつかって意見を届けてくれました。
コロナ過、マスクで友達の表情がみえない生活をしていましたが、気持ちを表情で伝える、読み取るというのは、とっても大切。気持ちをマスクを外すことが多くなるこれからは、どんどん気持ちを表情でもあらわしていきたいですね!
 

(赤い枠で囲んだ命育スタッフは、どの気持ちを表情であらわしているでしょうか?)
 
「4コマ漫画のセリフを考えてみよう!」では、2つのお題に挑戦いただきました。1つ、ご紹介します。
こちらの4コマ漫画、最後の一コマにはどんなセリフが入ると思いますか?大人の方は、「自分だったら、子どもにこう言う」というセリフ、お子さん達は「自分だったら、こういう言葉を言ってほしい」というセリフを、考えてみてください。
 

関係性ワークショップ04性教育マンガ

次々と出てくる声には、このようなものがありました。

大人の方の意見:

「今日はどんな一日だった?と広く聞いて、子どもに発言をゆだねる」
「今日、学校どうだった?」
「元気ないけど、どうしたの?」
「もしかして元気ない?話聞いて欲しいときは言ってね」
「男同士で話そうぜ。なんかあった?言えるときにいって、いつでも聞けるから」
など。今日はどうだった?と、話かけて子どもからの反応を待つという声や、直接元気がないことに触れて、話をしたいときは聞くよというメッセージを伝えるという声など、さまざまでした。

 
一方、お子さんからは、こんな声をいただきました。

お子さんの意見:

「何があったか、話したかったら話してね」
「『学校で何かあった?教えて』と聞いてほしい。聞いてくれたら答えやすいから」
「どうしたの?って聞いてほしい。でも、もし言えなかったら、他の楽しい話をしてほしい。だんだん話したい気持ちになるかも」

 
「話したかったら話をしてね」と言ってほしい、という声もあれば、直接的に「何かあった?教えて」と聞いてほしい、という声もありました。
また、「何かあった?」と聞いてほしいけど、言えないかもしれないから、そのときは違う話をしてくれたら、話をしたい気持ちになるかもしれない…のような、「そうか、そんな風に子どもは求めているんだ」と、とってもヒントになる声をいただきました!
そのときの状況やお子さんとの関係性などによっても色々あるでしょう。答えは一つではないことを実感し、いただいた意見を今後の参考にしたい、と思ったクイズでした。

 
その他、よい関係性かどうかをチェックする9つのチェック項目から、自分とチェックしたい誰かとの関係性を考えてみるクイズでは、「9つ全部当てはまったよ!」「1つだけ違った」「7つ当てはまった」など、それぞれに結果を教えてくれました。
ここでは、中谷さんから「案外、子どもは多くが当てはまっていることもあるかもしれないが、大人にとっては難しいな…」という感想も。
9つのチェック項目の中には、「相手のことをコントロールしようとしないか」というものがあり、親が子どもにだったり、パートナー同士だったり、やってしまいがちな項目があり、大人にとってもなかなか9つ全部当てはまるというのは、難しいクイズなのです。
「5つしか当てはまらなかったな、とか、たくさん当てはまった!という結果じゃなかったとしても、全然大丈夫。」中谷さんからは、そんなメッセージもいただきました。
当てはまらなかった項目について考えてみたり、その人ともっとコミュニケーションをとっていくなかで、関係性をつくっていけると良いですね。
 

関係性ワークショップ05関係性チェックリスト

 
最後は、困ったときに相談できる人を3人探してもらったり、子どもでも無料で相談ができるホットラインを知ってもらったりして、ワークショップを終えました。
 

関係性について考えてみて、どうだった?「参加者の声」

ワークショップを通して終始、楽しそうに考えてくれている様子のお子さんや、会話をしながらクイズに向き合ってくれている家族の皆さんの表情が印象的でした。
最後に、参加いただいた方からの声をご紹介します。
 

「子どもと一緒に参加出来て、関係性のことを考える良いきっかけになり良かったです。」(大人の方から)
「具体的な場面での問題を考えたので、想像しやすかったし、深くたくさん考えることが出来ました。質問にも丁寧に考えてもらえて、自分の疑問を、解決ではなく、よく考えられたから良かったなと思います。」(お子さんから)
「子どもが考えていることを、クイズを通して知る機会になり、とっても良い時間を過ごせました!」(大人の方から)
「4つのクイズ、全部楽しかったです!」(お子さんから)
「他のお子さんたちの回答も、どれも参考になり、それについても子どもと会話ができてよかったです」(大人の方から)

 
今回第1回目となる「関係性ワークショップ」、今後も定期的に開催予定です。
あらためて関係性について考えたいとき、お子さんが友達関係や人間関係に悩んでいるとき、親子で会話がしたい!というとき、ぜひ参加してみてくださいね。
 

※ 関係性ワークショップは、「Relationship Book ふたりでつくる本」(監修:思春期保健相談士 中谷奈央子さん)を参考に企画・構成した、命育主催のワークショップです。「Relationship Book ふたりでつくる本」の内容はこちらからご覧いただけます。
       

おすすめ性教育コンテンツ