小学生・中高生の子供のスマホやゲーム依存・中毒、ハマる前/後にできることは?

 
スマートフォンやタブレット、パソコンを使ってインターネットにアクセスし、ゲームをはじめ動画サービスやSNSを楽しむのが日常になっている最近。中高生はもちろん小学生も利用することが当たり前になりつつあります。
皆さんのお子さんはいかがでしょうか。子どもは時間の管理や先の見通しを立てずに、思いのまま時間を費やしてしまい心配している保護者の方も多いはず。
これから使わせる予定でいる、すで使わせていてスマホばかり触っている、など、様々な状況に悩んではいませんか?
子どもたちのスマホ・ゲーム依存について、保護者ができることを考えてみましょう。

 

 

小学生の50%以上がスマホを持つ!?子供のスマホ、ゲーム機所持率の現状

 
今どきの小学生は、生まれたときからスマートフォンのある環境でした。保護者が使い、未就学児の頃から目にしている時代に生まれ育っています。保護者もちょっとしたスキマ時間に動画でアニメなどを見せて、子どもの退屈な時間をしのいだ経験があるのではないでしょうか。
その頃に使っていた保護者のスマートフォンを、小学生の子どもがWiFi環境のある自宅やその他の場所で使っている場合もあるでしょう。
または、通学の見守り機器として子ども専用に持たせている場合もあるかもしれません。日本の小学生の約50%以上がスマートフォンでインターネットサイトを閲覧しているという調査結果が出ています。
小学生の半数近くが自分専用か、自由に使用できるスマートフォンを持っている時代となりました。
 
※参考:
令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」子どものインターネットの利用状況/内閣府

 

子供のスマホ依存・ゲーム依存のリスクや症状

 
スマートフォンでインターネットにアクセスすれば、欲しい情報を瞬時に閲覧することができます。また、ゲームをダウンロードし、飽きれば削除し、また新たなゲームを次々にダウンロードすることが可能です。
「瞬時に」「新しい情報を」「次々とダウンロード」できる状況に麻痺をしながらも、刺激がありスマホを手放せなくなってしまう状況に陥りがちでしょう。
スマホがいつでも使える場所にあり、いつでも手に取れる状況であれば、保護者がやめるように促してもスマホをなかなか手放せない、話しかけてもスマホから目を離さない、取り上げるとイライラして怒ったり機嫌が悪くなる、スマホがないと落ち着かないなどの様子が見られるようになります。この状態は「スマホ依存」の状態でしょう。
スマホと同じように、オンラインのゲームに執着する状態について、2019年5月、WHO(世界保健機構)は新たな病気として「ゲーム障害」と名付け、国際疾病分類に加えました。
 
ゲームや動画などの刺激あるものを常に見ていたい「スマホ依存症」は、大きなリスクがあります。
例えば、
 
・「本能」や「感情」に支配され、依存状態から抜け出せなくなる
・特に子どもは脳が発達途中のため異常が起こりやすく将来にも影響が出やすい
・朝起きられず学校を欠席しがちになる
・イライラしやすく、物や家族に当たり散らすなどの様子が見られる
・ほかのことに関心を示さなくなる
・脳や目が疲れるので、眠気が増す
・注意をしたり取り上げると激しく怒る
・使用時間や課金などについて嘘の報告をする
 
などのリスクと症状がみられるようになります。
 
※参考:「やめられない怖い依存症!脳に異常が起きるゲーム障害の症状、治療法」/NHK健康チャンネル
 

実際のトラブル事例

 
ここで、命育サイトのお悩みQ&Aでも紹介している、こどものネット・スマホのトラブル相談窓口である「こたエール」に寄せられたトラブル事例をご紹介します。
 
『スマートフォンを使うのを控えようと思っているのに、まったく控えられていません。今度こそ止めようと思っていても、気づくとインターネットや動画を見てしまいます。知人のアドバイスに従って時間を決めて使おうとしたけど、できませんでした。
絶対に叶えたい目標があり、今はそれに集中したいのに、欲に負けて好きな俳優の画像検索や面白い動画を何本も見てしまいます。』
(子ども本人からの相談)
 
こうしたケースのポイントとして、下記のように挙げられています。
 
・自分の生活がスマートフォン中心になって振り回されていると自覚できたら、それが改善への第一歩。
・ひとりの力だけでがんばるのではなく、家族の協力を得ることも必要
・端末を家族に預かってもらう、一定時間を過ぎたら本体にロックがかかるように設定するなどの物理的な工夫をすること
・焦らずに日常生活の小さな習慣から少しずつ改善していくとよい。
 
関連記事:お悩みQ&A「スマートフォンを使うのを控えようと思っているのに、まったく控えられていません。」(プレミアム会員限定)
https://meiiku.com/qa/late_childhood_12-3/
 
スマホ依存は、やめたいという意思があっても、なかなか難しく、子ども本人も苦しめているといえるでしょう。
 
※命育お悩みQ&Aでは、性に関するお悩みのほか、ネットやスマホトラブルのお悩みにも専門家が回答しています。
 
https://meiiku.com/qa/?ft=265#qa-list
 

子供がスマホ依存になる前にできること 防止対策

 

 
こういった状況に陥ってしまうと、そこから元の状態に戻すのは大変なことです。便利で楽しいものから離れるのは大人でさえ難しいですよね。
ゲーム障害や依存症になった場合、ゲームやスマホを見ると脳に異常反応が見られ、それはアルコール依存症やギャンブル障害と同じ異常反応なのだとか。
 
そうなってしまう前にできる防止対策とはどのようなことが考えられるでしょうか。
 
・なるべくスマートフォンを持たせる時期や年齢を遅くする
・持たせるときは、子どもと一緒にルールを決め、守らなかった場合の約束事も決める
・スマートフォン以外の楽しみや遊びを増やし、できれば家族も一緒に楽しむ
保護者も子どもの前で使いすぎず、会話をするときはしっかり目を見て話す
・スマートフォンは自室ではなくリビングなど保護者の目の届く場所で使用する
 
こういったことを子どもと約束することと、保護者も決めたルールはしっかり守るようにしましょう。
 

スマホ依存・ゲーム依存が心配な方の相談先

 
スマートフォンでゲームや検索をすることは、悪いことばかりではありません。
最先端の技術を目にし、クリエイティブな能力を培います。情報の集め方や情報整理の方法などを経験を通じて学び、集中力も高まることでしょう。
ですが、使用のし過ぎは上記で述べたような様々な問題へとつながります。
スマートフォンは無くてはならない時代だからこそ、大人も子どもも節度を持って楽しめるよう心がけていきたいですね。
 
依存症になっている場合、自分の力では抜け出すことが困難です。そうなる前に、無料で相談できるホットラインや、症状が心配な場合には専門機関や、お近くの保健所や精神保健福祉センターなどの相談窓口に頼ってください。
 
スマホ依存・ゲーム依存が心配なときの相談窓口
・こどものネット・スマホのトラブル相談「こたエール」
 
https://www.tokyohelpdesk.metro.tokyo.lg.jp/
 
・全国精神保健福祉センター一覧
https://www.zmhwc.jp/centerlist.html
 

監修:くま ゆうこ

  

専門家(くまさん)の一言アドバイス:

スマホやゲーム依存に関する相談は、年々増えてきています。
身近にあって便利であることは確かですが、その弊害も多いもの。
スマホを子どもに渡す前に、依存した場合にどうなるか、それを知った上でわが子にはどんな使い方をさせるのかを考えてルール作りをすることをオススメします。

株式会社マモル隈さん

くま ゆうこ(隈 有子)

株式会社マモル代表

大学を卒業後、大手音響機器メーカー、携帯ゲーム会社にてモバイルコンテンツ企画、プロモーションなどに従事。 ITベンチャー企業執行役員を経て、 2013年事業開発ディレクターとして独立。サービスを通し多くの中高生や保護者と接点を持つ中で、以前から問題意識のあった 「いじめ」を少しでもなくしたいという思いから株式会社マモルを設立。 自身の強みであるWebマーケティングのノウハウを活かす。 株式会社マモル 小中高校生を対象にいじめの小さなサインを見逃さず、未然に防ぐための報告プラットフォーム「マモレポ」を運営。学校に導入し、子どもや保護者が利用している。また学校コンサルティング、いじめ・関連のセミナーの登壇、執筆も行っている。

株式会社マモルホームページhttps://mamor.jp/

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