児童期

小学生の子どもの友達関係・人間関係、親はどこまで踏み込んでいい?ケース別・家庭でできること

2022年9月22日更新

 

小学生の子どもと友達、気になる関係性はどんなものがある?

 
小学校低学年から中学年くらいまでの友達との関わり方と、中学年から高学年までの友達との関わり方は少しずつ変わっていきます。どのような関係性があるのでしょうか。
 

小学校低学年の友達関係とは?

 
小学校低学年から中学年の友達関係は、たまたま帰り道が一緒になって家が近いことがわかったり、教室で席が隣同士になって意気投合したりといったきっかけで仲良くなることが多いでしょう。友達関係が流動的でもあります。
一緒にゲームをしたり自転車に乗って近くの公園へ行ったりと、同じことをして楽しむ並行遊びが中心であり友達同士のやり取りなどはまだまだ少ないでしょう。
そのため、物の貸し借り、遊びに入れてくれないなど、トラブルも小さなものが多いでしょう。
この時期は、幼稚園や保育園時代から比べて放課後の自由度が高まり、子どもはさまざまな新しい体験や経験、関わりを経験します。
家庭の中で放課後の過ごし方や友達との関わり方をシミュレーションしたり、楽しかったことや困ったことを聞き出せるような会話の時間を意識的に増やしたりしたいものです。
 

小学校中学年から高学年の友達関係とは?

中学年から高学年の友達関係はそこから一歩進み、心のつながりや気の合う決まった仲間を求めます。少しずつ親から心が離れ友達が一番大切な存在となっていく時期でもあります。友達と遊んだ内容や、困っていることなど、親に話さず隠すようにもなるでしょう。
子どもから直接話してこなくても、いつもの友達と過ごさなくなったり、イライラしていたり、食事の量が減ったりするなど、悩んでいるサインは出しているものです。
 

 

小学生の友達関係に、親はどこまで踏み込んでいいの?

 
子どもが悩んでいるかもしれないと感じると、親は解決をしてあげたくなるのが普通の心境でしょう。ですが、例えば「貸したゲームソフトを返してくれない」など物や金銭的なことに関わるトラブルであっても、最初は、子ども同士で話し合わせるようにしましょう。
すぐに相手の家庭へ親が連絡はしないのが懸命かもしれません。理由としては、違う相手だった・事実とは違った・わが子が「あげるよ」と言ってしまったなど事実が隠れている可能性があるからです。子どもは自分の親に叱られるかもしれないと思うと咄嗟に事実をごまかしたり、うそを言ったり、肝心なことを言わないということもあります。
 
今後はこれを教訓とし、親の承諾なしにゲームソフトの貸し借りはしないなど、改めて家庭内のルールを話し合う時間を作りましょう。
この時期は、友達との関わり方や、自分の家庭のルール、よそのお宅へお邪魔するときの礼儀など、社会と関わるときに必要な子どもの立場としてのふるまいをしっかり身につけておくことが大切です。今後成長したときに自分で問題を解決してくことのできる力の土台とも成り得るからです。。
 
また、中学年から高学年の時期は、友達との関わりについて親に口出しされることを嫌がるようになる時期へ差し掛かります。悩んでいることや友達関係について聞き出そうと躍起にならず、子どもの日ごろの様子や生活態度から察し、あたたかく見守りましょう。
どうしても気になるときは直接その問題について質問をするのではなく、ニュースなどを引用し、「どう思う?」「こういうこと、学校でもある?」などと様子をうかがうのも良いでしょう。
自分のことではなく、ほかの人のことと装って、話してくれることがあるかもしれません。
子ども自身が考え、解決策を導き出せるよう、また、解決できなくても家庭内ではゆっくりとリラックスできるよう、親子のなんでもない会話を大切にしていきたいですね。

 

いじめ?トラブル?気をつけたい子どもの様子と対策

 
本格的なトラブルに発展しているときほど、子どもは親に話せないものです。いじめや仲間外れ、ちょっとしたトラブルが重なってくると、子どもの様子が変化してくることでしょう。
 

  • ・朝起きてこない
  • ・学校へ行きたがらない
  • ・腹痛や頭痛を訴える
  • ・友達や学校のことを話さなくなる
  • ・自分の部屋にこもりがちになる
  • ・食事の量が減る
  • ・イライラしたり、八つ当たりしてりと言動や行動が乱暴になる
  • ・お小遣いを頻繁に欲しがるようになる
  •  
    このような様子があった場合は、注意深く子どもを観察する必要があります。反抗期なのかもしれないと感じることがあっても、子どもの些細な変化を見逃さずできるだけコミュニケーションを取るようにしましょう。
    また、親が心がけたい対応としては、
     
    ・子どもに学校の様子や友達関係についてさりげなく質問をしてみる
    ・ママ友などに最近のクラスの様子などを聞いてみる
    ・学校に相談してみる

     
    親が急に慌てたり探ったりすると、子どもが距離を置いてしまい一切話さなくなってしまいます。また、サインも出さなくなってしまうことでしょう。決して焦って問い詰めたり質問攻めにしたり友達の名前を言わせたりするようなことをしないようにします。
    親が考える以上に、現代のいじめは陰湿でしつこいものです。親が騒ぎ立てることでさらにエスカレートすることもあるようです。
     
    学校に行きたがらないとき(行きたくないと言わず、腹痛や頭痛を訴える、布団から起き上がらないなど)は、無理に学校へ行かせるのをやめ休ませることも大切です。家庭には安心できる居場所があるということを子どもに伝えましょう。
    子どもにとっていじめられていることを親に話すことは予想以上に勇気の必要なことです。
    ゆっくりと関わり、安心して休めるようにしてあげましょう。
     

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まとめ

 

 
親は子どもの言葉をうのみにしてしまいがち。トラブルや友達関係の悩みについて子どもから聞いたり、親が気づいたりしたとしても、親が介入するのは避けたいもの。基本的には子ども同士のことは子ども同士に任せ、温かく見守ることが大切です。
いじめなどの深刻な問題については、慌てず、ときに第三者の助けを求めながら、ゆっくりと解決していきたいものですね。
親子の適度な距離感は子どもの心を育てます。いつでも聞くよ♪という姿勢で日ごろの会話を多く持つことを心がけておきましょう。
 

監修:くま ゆうこ

専門家(くまさん)の一言アドバイス:

いじめやトラブルのことを心配するがあまり、つい子どもの友人関係に口を出してしまいがちですが、親が真剣になりすぎて、子どもが意図しない方向に進むことがあるので、子どもの気持ちを最優先させることが先決でしょう。親の役割は解決そのものではなく、解決できる力を育てることかもしれません。様子をみることが大事ですが、小学校の低学年は、いい事・悪い事、マナーは正しく伝えておくいい機会なので、ルールやマナー違反をしているお友達がいたら、善悪を正しく伝えていくことも大切です。

株式会社マモル隈さん

くま ゆうこ(隈 有子)

株式会社マモル代表

大学を卒業後、大手音響機器メーカー、携帯ゲーム会社にてモバイルコンテンツ企画、プロモーションなどに従事。 ITベンチャー企業執行役員を経て、 2013年事業開発ディレクターとして独立。サービスを通し多くの中高生や保護者と接点を持つ中で、以前から問題意識のあった 「いじめ」を少しでもなくしたいという思いから株式会社マモルを設立。 自身の強みであるWebマーケティングのノウハウを活かす。 株式会社マモル 小中高校生を対象にいじめの小さなサインを見逃さず、未然に防ぐための報告プラットフォーム「マモレポ」を運営。学校に導入し、子どもや保護者が利用している。また学校コンサルティング、いじめ・関連のセミナーの登壇、執筆も行っている。

株式会社マモルホームページhttps://mamor.jp/

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