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男の子の性教育どうしてる?シングルマザーの子育ての悩みと対処法

 
シングルマザーとして子育てをする家庭の多くが、仕事や生活、お金に関する不安を抱えています。子どものしつけや教育に関する場面では、ときに「父親がいれば…」と思い悩むこともあるでしょう。
とくに子どもが異性である男子の場合には、身体や心の変化に戸惑いを感じる機会も多く訪れます。
今回は、シングルマザーが抱える男子の子育ての悩みと、その対処法について、実際の体験断を交えながらご紹介します。
 
母子家庭で男の子を育てている方はもちろん、夫が単身赴任等で家庭に不在の方も、ぜひ何かしらのヒントになれば幸いです。
 

 

 

シングルマザーの子育てに関する現状とは?

 
厚生労働省の調査によると、母子世帯の約8割は、正社員またはパート・アルバイトとして就業しています。
しかし、児童のいる世帯の総所得が約707万円であるのに対し、母子世帯の総所得は約270万円と、ひとり親家庭の相対的貧困率は未だ高いのが現状です。
参考:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」「平成28年 国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況)」
 
また、一家の家計をひとりで担うシングルマザーは忙しく、子どもと触れ合う時間が少ないなかで、十分にしつけや教育ができていないのではという不安も抱えています。
 
とくに男の子をもつシングルマザーは、異性であるために、男子特有の悩みを共有してあげられないといった悩みを抱えがち。父親の役目を、女性である自分がどこまでフォローできるのか、子どもの成長と共に悩む機会も多くなるでしょう。
 

シングルマザーの子育てに関する悩みと対処法は?

 
シングルマザーのような母子家庭や、父親が仕事で不在になることが多い家庭では、子育てに対しどのような悩みを抱えているのでしょうか。
3つの悩みと共に、実際の体験談をもとにした対処法をご紹介するので、参考にしてみてください。
 

父親が不在でいることの不安感

 
「仕事も子育ても、自分ががんばれる」心にはそう決めていても、子育てをする中では「こんな時に父親がいれば…」と弱気になることもありますよね。
 
社会の中では、さまざまな家庭があります。父親と母親が揃っている家庭が多い現状にはありますが、それ以上に、子どもにとっては、身近な大人がいつも笑顔で自分を見守ってくれるという事実が、心の安定へと繋がります。
 
母親が子供に不安な思いをさせているのでは?と心配するように、子どももまた、自分が悲しんだり不安になっていたりすると、母親を心配させるのではと気を遣うこともあるのです。
特に、異性である男子であれば、母親を守らなければという無意識の自我から、強がってみたり素直になれなかったりすることもあるでしょう。
 
父親が不在であることから生まれる子育てに関する悩みは、ひとりで抱え込まず第三者に相談する他、時に子どもと話し合うこともまた、対処法のひとつとなるでしょう。
 

男性器のこと

 

 
シングルマザーにとって、わが子の男性器にまつわる話は、自分が体験したことがないため、どう対応して良いか分からないと言われる悩みのひとつです。
 
子どもは早ければ幼少期から自分の性器に関して興味を持ち始めますが、それは成長の過程で必要なことであり、決して悪いことではありません。
 
一方で、大人が確かな知識を持って接しなければ、将来の子どもの性に影響を与えることも考えられます。特に、包茎のような直接身体に関わる問題は、かかりつけの小児科や泌尿器科に相談し、専門家の意見を仰ぐことも大切です。
 
年齢が進むにつれて男の子の交友関係は広がるため、同じ男子を持つ親同士で、情報交換できる体制を整えておくことも必要となってくるでしょう。
 

反抗期・思春期の対応

 
11歳から14歳頃になると、男子は思春期に入り、異性である母親と会話をすることが少なくなります。ぐんと背が伸び、体つきも大きく変化し、「子どもが何を考えているのか分からない」といった悩みが多く聞かれるのもこの時期。
性的なものへの興味も強くなり、友人たちの間では、実際に性交に関する話題ものぼるようになってくるでしょう。
 
いつまでも子どもだと思っていたわが子の変化に戸惑うことも多い時期ですが、反抗期は子どもが独り立ちしていく上での大切なステップでもあります。精通が始まる頃にはプライベートスペースを確保するなど、子どもをひとりの大人として解釈し、接してあげることも必要です。
 
また、異性である母親は、アダルトな物に対してどうしても否定的な感情を抱きがちですが、頭ごなしに「汚い」「いけないこと」などと否定してはいけません。
性的なコンテンツがメディアに濫立する中で、避妊を含め、大人として正しい知識を子どもに伝えられるように心がけていきましょう。
 

シングルマザーが体験した性教育エピソード

 
子育てをしていると、「こんな悩みを持つのは我が家だけでは?」「他の家庭はどのように性教育をしているのだろう」と疑問に思うものです。
ここからは、編集部に寄せられた声や、ライターの周囲の人が実際に体験したエピソードをご紹介していきます。
 

「野球をしたいという息子のサポート」

 
息子が小学3年生になった頃、仲良くしていた友だちの影響で、野球をしたいと言い出しました。スポーツクラブに通うお子さんの多くは、野球経験者の父親を持つ家庭ばかり。シングルマザーであり、野球に関する知識もない自分は、入部しても息子をサポートしてあげられるのか、当初はとても心細かったです。
しかし、実際に入部して分かったのは、結局努力するのは子ども本人だということ。私は息子の応援係に徹し、実際の指導は、指導者さんに完全にお任せしていました。息子は中学校へあがりましたが、今後も野球は続けていくようです。もちろん大変なことも多かったですが、子どもが努力したいことに対しては、父親が不在であることを後ろめたく思う必要はないのだなと、改めて感じた数年間でした。

 

「友人とアダルトサイトを見ていた小学生の息子」

 
小学5年生の夏休みの事。息子が友だちと集まって、友人宅のタブレットでアダルトサイトを見ているようだと、そのお宅のお母さんから相談を受けました。
小学生のうちからアダルトサイトに目を通すとは思っていなかったので、当初はとてもショックでした。
しかし、実際に自分が検索してみると、今はそのような情報がネット上に溢れていて、子どもが目にするのは決して難しいことではないと痛感。セキュリティのことや、遊び方も含め、友だちのお母さんとも、これを機によく話し合いました。
息子はかなりばつが悪かったようですが、ネットの使い方や、アダルトサイトの内容は誇張してあることについて話をする良い機会になりました。

 

「息子に精通がきた時の対応」

 
息子が小学6年生になった頃、洗濯物に汚れた下着が入っていることに気が付きました。いつかとは思っていましたが、精通がきたようです。
見て見ぬふりをした方が良いのか迷いましたが、その晩に「自然なことだから恥ずかしいと思う必要はないよ。下着は洗ってから洗濯機に入れておいてね」と、明るくひとこと伝えておきました。
息子に彼女ができた時のことを考えても、性に関することはオープンに話せる関係を作っておきたいと思ったからです。
将来、女性を大切にできるように、私自身が生理痛で体調が悪い時にも、「頭が痛い。お腹が痛いからちょっと休むね」ということも、今から伝えるようにしています。

 
※ 命育お悩みQ&Aでは、下記のようなお悩みに専門家が回答しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
 
「ひとり親(父子家庭・母子家庭)の異性の子どもへの性教育の伝え方はどんな工夫や配慮が必要でしょうか?」(プレミアム記事)

ライティング:shiho

介護福祉士として勤務する傍ら、独学で保育士の資格を取得。教員補助として公立中学校に勤務した経験あり。
子どもが成長し手が離れたことを機に、現在はフリーのWebライターとして活動中。

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