コンドームの壁を紐解く!「パートナーがつけてくれない」
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コンドームを手に取る前に必要なこと、コンドームの役割や使用の現状など、大人にとっては成長とともにいつのまにか存在していたコンドームについて、まずは大人自身が知識と認識をアップデートしていきましょう。
■ コンドームを手に取る前に
どんな人もコンドームを手にとる前に、性交(セックス)を始める前に、パートナーと確認しなくてはならない大切なことがあります。それは「性的同意」をとることです。同意のない性交(セックス)やその他全ての性的な行為によって、パートナーや自分の心身を傷つけます。大切なパートナーだからこそ、大切な自分だからこそ、お互いの尊厳を守るために、自分も同意しているかどうかを確かめることが重要です。
「性的同意ってなに?同意がとれたのかどうか、どうやって判断したらいいの?」と疑問に思われる方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:性的同意はどうやってとればよい?チェックリストや動画で学ぼう
男女ともに性交(セックス)時の痛みがある場合や、パートナーがコンドームをつけないときには、無理に性交(セックス)する必要はありません。断る権利があります。パートナーに「しない」ときちんと伝えましょう。
■ 過去1年以内にコンドームなしのセックスを経験している人が過半数
第4回目のテーマは「パートナーがつけてくれない」です。
ある調査では、過去1年以内にコンドームをつけずに性交(セックス)をしたことがある人が54.3%、さらにそのうちパートナー以外でもコンドームをつけずに性交(セックス)をしたことがある人は15%もいるという結果が出ています。
さらに、コンドームをつけたくないと思っている人※は過半数おり、その理由は「つけない方が自分が感じるから」が60.5%、「つけない方が相手が感じるから」が48.6%も占めていることが分かりました。
参考:リサーチデータ コンドームに関する調査結果2015(コンドーム着用率向上委員会)
※コンドームに対する本音を聞き出す設問として、「例えば、妊娠や性病のリスクを考える必要がない場合、あなたはコンドームを着用すると思いますか?」に対する答えとして「つけない」「時と場合によってはつけないかもしれない」と回答した人
パートナーがつけてくれない場合、どうすればいいの?
「パートナーがつけたがらない」は、とても大きな課題です。
「パートナーに嫌われたくない」という気持ちから「コンドームをつけて」と言えず、不安を抱えたまま性交(セックス)してしまう人がいるという現実が。
実際にパートナーがつけてくれない場合、どうすればいいのでしょうか。
「お願い」するのではなく「どっちがいい?」
例えば、言い方を変えてみましょう。
「今日はコンドームを2種類持ってきたんだけど、どっちを使おうか?」
「このコンドームってすごく気持ちいいらしいよ!」
など。
「お願い」という形で伝えてしまうと、相手に断る選択肢を与えてしまいます。最初からつけないという選択肢を与えないよう、提案してみましょう。
「コミュニケーションツール」としてのコンドーム
コンドームをうまく利用し、コミュニケーションツールとして使ってみましょう。
自分で使ってみたいと思うものを探して、明るくパートナーに差し出してみれば、相手も興味を持ってくれるはず。
反対に、今日の性交(セックス)はイマイチだったな、痛かったなというようなときには、それをコンドームとの相性に重ね合わせて伝えるとよいでしょう。「痛い」と伝えるだけだと、男性側は「自分が下手だからなのかな?」と傷つく人もいるようです。ではどのように伝えればよいかというと、
「今日のコンドームだとちょっと痛くなっちゃったから、次は別のものを使ってみたい。」と、表面的にはコンドームのせいにしつつ、やんわりと事実を伝えて改善を試みるのがオススメです。お互いが心地よいセックスを築き上げていくヒントにもなるだけでなく、相手を傷つけることなく、次につながる会話ができます。
このように、コンドームを活用することで、パートナーと円滑な性交(セックス)についてのコミュニケーションが取れるようになります。
「つけないならしない」と言える勇気を
それでもつけたくないと言われた場合は、はっきり「しない」と言いましょう。
「嫌われたらどうしよう」と受け入れてしまう方も多いと思いますが、あなた一人が妊娠や性感染症のリスクを背負ってまで、相手に合わせる必要があるでしょうか。
パートナーとは、本来お互いに尊重しあえる関係であるべきです。相手が大切ならコンドームはつけるはず。コンドームをつけることに同意をしてくれないようなら、思い切って、パートナーとの関係を見直してもいいかもしれません。
■ 女性が持っていても恥ずかしくない!かわいいコンドーム・バレにくいコンドームをご紹介
性感染症のリスクは男女共にあるものですが、特に妊娠の可能性がある女性は、男性より不安要素が大きいですよね。そのため、女性こそ主体的にコンドームを選び、所持するのが理想です。
ここからは、コンドームソムリエAiさんオススメの、女性が持っていても恥ずかしくない・可愛い・バレにくいコンドームをご紹介します。
オカモトコンドーム ニャンボーVer/全23種(オカモト株式会社)
(参考価格)12コ入×3パック¥1,228
・とにかく可愛い!パッケージがいやらしくない
・ドラッグストアや量販店、Amazonでも取り扱いあり
・中の個別包装が全23種ある(中身は同じ)選ぶ楽しみがある。
ニャンボーデザインのコンドームがあるのをご存知ですか?このパッケージなら
カバンに入れてもコンドームだとバレにくい!23種類ものニャンボーがいるので、パートナーにも「今日はどれにする?」と言いやすいですね。
温感ゼリー付きなので、ぬくもりを感じられる点も女性には嬉しいポイントです。
無印良品コンドーム /全1種(製造元:不二ラテックス)
(参考税込価格)4コ入¥290 (天然ゴムラテックス)
・通販で買える(コンビニ受け取りも可)
・生活用品の棚にさりげなく置いてあるので周りにバレにくい
・デザインがシンプルでコンドームと分かりにくい
・小ロットで価格が安い
・中身は不二ラテックスのコンドームなので安心
コンドームのパッケージデザインって「いかにもコンドーム」というものも多く、苦手に思う方も多いのではないでしょうか。無印良品のコンドームは、他の無印良品の商品と同じシンプルなデザインで、生活用品の棚に並んでいます。何かを買うついでに一緒にカゴに入れてしまえば、周りからは全然分かりません。
コンドームを買うのが恥ずかしい中高生にもオススメな商品です。
ムードを壊さないようにするにはどうしたらいい?
「装着するまでの時間がきまずい」「ムードを壊したくない」という気持ちから、コンドームをつけるのを躊躇してしまう人も多いようです。この場合はどうしたらいいのでしょうか。
最初に「今日はこれを使うね」と出しておく
性交(セックス)の前に「今日はこれを使いたいから、ここに置いておくね!」と手の届く場所に出しておくことをおすすめします。
初めから相手に告知しておけば、いざ使う時の楽しみにできるし、お互い使うことが分かっているのでムードも壊れません。
また、つけるまでの時間がスピーディーなコンドームを使用する方法もあります。
・テープを引っ張るだけで簡単につけられる
・装着スピードが早いのでムードを壊さない
・空気抜き不要・爪で傷つける心配がない
このように楽しめる要素を持つコンドーム。スピーディに装着できるので、ラブラブなムードを壊しません。リボンをパートナーに引っ張ってもらっても楽しいですね。手で触れる回数が少ないので傷つける心配も少なく、空気抜きも不要なので、あまりコンドームに慣れていない人でも使いやすいです。
■ まとめ
今回は女性でも持ちやすいコンドームを中心にご紹介しました。性交(セックス)を男女で円滑に楽しむためのコミュニケーションツールとして、様々なコンドームをうまく使ってほしいと思います。
イラスト:Freepik.comの素材を使用し作成
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専門家(コンドームソムリエAiさん)の一言アドバイス
言わなくても当たり前のようにつける、または女性からも「コンドームをつけて」と、抵抗なく言える良好な関係性を相手と築くことこそが、セックスの充実度を高める条件である、と私は考えています。コンドームは相手に申し訳ない気持ちで付けてもらうものではありません。性感染症や妊娠を防ぐために、お互いが自分のため、相手のためにつけるべきものです。
不安や不満を抱えた中でのセックスは、気持ちよさを妨げてしまいます。パートナーとよりよいセックスのために、2人が安心してリラックスして臨むことが大切です。お互いが心から楽しめるセックスにするためにも、二人で選んだコンドームを相棒に、セーファーセックスを心がけていきたいですね。
コンドームソムリエ Ai
性教育インフルエンサー、現役養護教諭
「コンドーム選びを前戯に!」をモットーに性感染症の予防と男女の性生活力向上を目指す。 学び損ねた大人へ性教育の学び直しの機会と、安心して性の話ができる空間を作るべく、実物を触って嗅い で引っ張れる #コンドーム試触会 を立ち上げる。 国内で市販されている約100種コンドームに精通し、twitterやホームページで情報を発信中。
コンドームソムリエAi公式サイト:https://www.aicon-j.com/
Twitter: https://twitter.com/Ai_con_j
コンドーム試触会を立ち上げ、東京や大阪を中心に開催(年内9回開催、累計参加者は300人超
中学生や大学生を対象とした「寺子屋コンドーム試触会」も東京、大阪で開催
エイズ文化フォーラム、各大学サークル主催イベントなどで性教育をテーマに講演活動も行う
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