初めての生理「初潮」とは？年齢や前兆などをしって準備をしよう

■　「初潮（しょちょう）」とは？

はじめての生理を「初潮」または「初経」といいます。では、お子さんから「生理ってなに？」と聞かれたら、どのように説明しますか？小学生頃のお子さんには、わかりやすく「生理とは、子宮の中をキレイにするために、毎月やってくる子宮のお掃除タイム」と説明ができます。だいたい１か月くらいのサイクルで、いつ赤ちゃんが来てもいいように子宮の内側が厚くなり、赤ちゃんのベッドがつくられはじめます。妊娠しなければ、不要になった赤ちゃんのベッド（子宮の内側の壁）が剥がれ落ち、体の外に出されます。これを生理といいます。医学的には、「月経」と呼ばれます。

■　初めての生理（初潮）を迎えるのはいつ頃？平均年齢は

平均的な初潮年齢（小学生高学年頃～中学生２年生頃まで）

初潮を迎える年齢については個人差が大きく、一概に何歳からと決まっているわけではありません。いくつかの調査結果を踏まえると、だいたい10歳から14歳であるとされています。すなわち、小学校5～6年生で初潮を迎える子が多く、小学校高学年から中学校2年生までで初潮を迎えているということになります。周りの友達が初潮を迎えているのに、うちの子はまだ…と心配な方も、14歳頃までは様子をみて大丈夫。15歳頃（中学3年生頃）を目安に「まだ初潮がこない」という場合は、産婦人科や思春期外来のある病院に受診をしてみるとよいでしょう。
（参考：日本産婦人科医会　https://www.jaog.or.jp/qa/youth/shisyunnki09/）

身長が高い、体重が重いと初潮が早いってホント？

初潮を迎えた子の平均身長は152㎝、平均体重は42kgぐらいといわれていますが、これはあくまで平均ですので、実際はもっと幅広い身長、体重で初潮を迎えます。初潮は個人差が大きく、BMIや体重が関係するといわれています。ただし年齢と同じく、体重が何kgになったら、身長が何cmになったらという決まりはありませんので、あまり気にする必要はありません。それよりは、いつ初潮を迎えてもよいように、小学生中学年頃になったら生理の話を、また以下に紹介する前兆があらわれたら早めに準備をするのがよいでしょう。

■　もうそろそろはじまるかも？思春期女子の体の変化と初潮の前兆・サイン

思春期女子の体の変化（小学生高学年頃から変化しはじめる子も）

思春期がはじまると、体が変化し、初めての生理（初潮）を迎えるといわれていますが、そもそも思春期とは、いつ頃だと思いますか？思春期とは心身が著しく成長する時期と捉えており、10歳くらいからを思春期のスタートと位置づけられています。思春期になると、体のさまざまな部分が急激に成長・変化し、大人に近づいてきます。

初潮を迎える前兆としては胸やお尻が膨らみ、性器の毛（陰毛）やわき毛が生えてきて、体が丸みを帯びてきます。胸は、初潮を迎える1年前ごろから少しずつ膨らみ始めます。胸が膨らみ始めた頃、脳から女性ホルモンを分泌するように指令が送られるようになり、体が初潮を迎えるための準備を始めます。また、おりもののが、べたっとした粘液状になったり、肌質が変わってニキビができやすくなったりする子もいます。
こうしたサインが出てきたタイミングから初潮を迎える準備を始めるとよいでしょう。思春期の体の変化についても、やはり個人差が大きいので、周りの友達と比べて子どもが遅い、早いといったことを過度に心配する必要はありません。

初潮の前兆・サイン、どうやって気づけばよい？小学生や中学生でも読みやすい生理の本を手渡すのもオススメ

保護者が一緒にお風呂に入っている場合は体の変化に気づきやすいですが、そうでない場合は、胸の膨らみや陰毛などには気づくきっかけがあまりないかもしれません。目安とされる10歳頃になったら、小学生でも読みやすい思春期の女の子の体の変化が書かれた本を渡してみるのもおすすめです。可愛いイラストや読みやすい文章で、思春期や生理をポジティブに受け止められる本があります。命育サイトの中にも、お子さんにもわかりやすくイラストを使った体の変化や生理の記事がありますので、ぜひご活用ください。

関連記事：思春期の体の変化や生理について書かれた子ども向けの本を紹介しています
「専門家・命育編集部おすすめ性教育本コーナー」

関連記事：産婦人科医監修／「女性ホルモン」は女の子をどう変化させる？今さら聞けない女性ホルモンの基本

■　【医師回答】初潮に関するお悩みの例「中学3年生ですが、初潮がまだ来ません」

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初潮についてのお悩みの事例を1つご紹介していきます。

「中学3年生（15歳）の娘はまだ生理がありません。胸は少し膨らんできたのですが、周囲の友達はみんな始まっているようで、子どもも私（母親）自身も少し心配になっています。何歳くらいまでにこないと遅いのでしょうか？」
これに対して産婦人科医は以下のように回答をしています。

「初めての生理の年齢には個人差があるので、なかなか来ないと心配になりますね。多くの女の子が15歳までに初めての生理が来ることが多いので、もし15歳で生理が来ていないときは一度婦人科へご相談ください。激しい運動や過激なダイエット等で痩せすぎていたりすると、女性ホルモンのバランスが崩れて、生理が来なかったり止まってしまうことがあります。婦人科では、ホルモンの採血をしたり、お腹の上から超音波検査をして原因を調べることが多いです。」（淀川キリスト教病院／産婦人科医・柴田　綾子）
（関連記事：お悩みQ&A「中学3年生ですが生理がまだきません」）

※参考：公益社団法人日本産婦人科医会HP　

■　小学生から生理がはじまる子も。初潮の年齢は個人差があるので、胸が膨らみはじめたら親子で初潮の準備をしよう

　胸が膨らみ始め、ブラジャーの購入が必要となってくるタイミングで、一緒に生理用品をそろえたり初潮についての情報収集を親子で始めてみてはいかがでしょうか。
現在、日本の小学校ではほとんどのところが生理についての授業はおおむね小学校4年生頃としています。ですが、早い子ではそれより前に初潮が来ることも。まだ学校で生理について学んでいなくても、胸が膨らみ始めたタイミングがおすすめ。保護者がお子さんと一緒に準備をすることで、安心して初潮を迎えられるのではないでしょうか。

参考：「小学校学習指導要領」（文部科学省）

ライティング：RAY（保有資格：看護師）
看護師資格を取得後、総合病院、クリニック、老人保健施設で勤務。1年間の出版社での勤務を経てライターとして独立。医療、介護、ヘルスケア分野の記事を多岐にわたり執筆中。