児童期

【国際基準の性教育】小学生の子どもに、健全な社会性や人間関係について何をおしえたらいいですか?後編

小学生の友情、関係性

 
※こちらの記事は、毎年世界で約120万人に性教育のプログラムを提供しているアメリカのPPFA(全米家族計画連盟)による記事を、許可を得て、命育にて翻訳・日本向けに医療監修のうえ作成しています。保護者が子どもに性のことを伝える難しさや抵抗感は、世界共通。
国際基準の性教育ですが、保護者や子どもの気持ちに寄り添いつつも「伝えておきたい知識をシンプルに・科学的に」伝えるコツを紹介しています。ぜひご参考ください。
 

 

同調圧力や判断の仕方については、どのように話せばいいのでしょうか?

 

お友達からのネガティブな同調圧力には、自分のことを信じ、自分を誇らしく思っている「自尊心」を持つことがもっとも有効な対策のひとつ。例えば、以下のようにすることで、健全な自尊心を育てることができます

 

  • ・努力と一生懸命さをほめましょう
  • ・お子さんのためにあなたが全てをやるのではなく、お子さんが自分でできるようになるよう手助けしてあげましょう
  • ・ネガティブな同調圧力に勝っても負けても、お子さんにとって無条件の愛情をあげましょう

 

あなたの価値観に基づいた会話も、お子さんが良い決断をする参考となるでしょう。タバコを吸う(喫煙)、お酒を飲む(飲酒)、または盗みや学校をサボることなどが、どういうことなのかを、判断できるようにサポートしましょう。何かおかしいと感じたり、誰かに嫌なことをさせられそうになったりしたら、信頼できる大人や自分のところに来るように教えてあげましょう。

 
こんな風に声かけすることができます。

  • 「もし、あなたがいやだと言っているのに、どうしてもそれをしてほしいと頼み続けてきたら、私のところや信頼できる大人に言いに来るんだよ」子どもはあなたを言い訳にして、何かから抜け出すこともできます
  • 「なんだかおかしいなと感じたら、怒られちゃうからお家に帰る、と言うんだよ」
    自分の言葉で自分を主張することに慣れるよう、声に出して練習させましょう。

 

 

健全なコミュニケーションについてどのように話したらいいでしょうか?

健全なコミュニケーションとは、尊重すること、正直であること、友達の話に耳を傾けること、自分の気持ちや要望について話すことです。保護者は、お子さんが小さいうちからこういったスキルを身につける手助けができます。

  • ・身体的な暴力、中傷、からかいについてのルールと期待していることを伝えましょう。

    こうした行動は、家庭や学校では決して許されません。

  • ・子どもに、話をしたり聞いたりするよう促しましょう。

    話を聞くことと、話をする順番を待つことは違うということをはっきりさせておきましょう。

  • 自分の言葉が人に影響を与えるということに目を向けさせましょう。

    言葉はときに、人を泣かせたり、逃げさせたり、無視させたりすることがあります。子どもは自分の間違いに気がづかないことがあります。あなたが丁寧にアドバイスをすることで、間違いに気がつくことがあるでしょう。

  • 子どもに自分の言葉を使うように言いましょう。

    否定的な感情を抱いているときは、それを行動に表すのではなく、言葉で伝えるようにさせましょう。そうすれば、子どもは自分の気分を良くする方法を知ることができ、その過程で不必要に他人を傷つけることはないからです。

  • ・自分の気持ちを表現する 「私は/僕は」からはじまる表現をするよう伝えましょう。

    自分自身のために立ち上がるということは、怒っている相手を非難したり追求したりすることではなく、自分の感情を自分のものにすることだと、励ましましょう。「あなたに__という気持ちにさせられたんだ」よりも、「あなたが__した時、私は__と感じた」の方が効果的です。

  • ・あなたからサポートやアドバイスをいつでも受けられることを伝えましょう。

    ほとんどの子ども、特に幼い子どもは、何かに動揺したとき、自然と親に愛情と慰めを求めます。子どもが、親に言ったら怒られてしまうんじゃないかと心配していたり、親に理解してもらえないんじゃないかと思っていたとしても、あなたにその気持ちを伝え続けられるよう促しましょう。もしあなたを困らせるようなことで助けを求めてきたとしても、子どもが安心してあなたのところに来てくれるように最善をつくして冷静でいるように努めてください。

 

 

©Planned parenthood Federation of America(PPFA) /監修 高橋 幸子、翻訳 新里 亜子(命育編集部)

 
※こちらのコンテンツ(文章、動画など)は、PPFAの許可を得て翻訳・監修のうえ作成しています。無断転載は固く禁じます。内容の紹介はこちらのページをシェアいただくようお願いいたします。
   

Planned Parenthood Federation of America(全米家族計画連盟/PPFA)

 

アメリカで1916年創立された女性の性・生殖に関する医療サービスを提供する非営利組織。全米に600以上の施設をもち、医療者による安全な人工妊娠中絶手術、避妊薬の処方、性病治療といった医療を手ごろな価格で提供している。学術調査や性教育にも力をいれており、学校や地域コミュニティ、オンラインなどにより毎年120万人の人々に性教育プログラムを実施。 International Planned Parenthood Federation(国際家族計画連盟)に加盟。

PPFA HP(https://www.plannedparenthood.org/)

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