児童期 思春期

小学生から始まる子も!?子どもの思春期 特徴と準備 ~男子編

思春期男子の特徴と準備 小学生から始まる子も

体と心が少しずつ大人へ向かって成長していく思春期は、子どもも保護者も様々な壁にぶつかりながら成長します。小学生男子の場合、保護者と一緒に歩きたがらない。参観日を嫌がる。口数が減る。無邪気だった子どもが、保護者の言うことに批判的になり屁理屈で口答えするといった特徴が見られるようになります。
思春期を迎えた小学生男子の体と心にはどんな変化があるのでしょう。保護者としてできることはなに?コミュニケーションで注意したいこととは?そんな疑問について一緒に考えてみましょう。
 
INDEX:

 

小学生男子の思春期、どんな特徴がある?いつから始まる?

男子も女子も、成長発達には個人差があり、思春期は「いつはじまる」といったはっきりとした時期はありません。だいたい早い子は、小学校高学年(小学校5年生・6年生)の頃から、中学生2年生くらいまでにスタートする子どもが多いようです。
変化が訪れるスピードや程度も、人それぞれによって異なります。
 

思春期前に訪れる小学生中学年頃の「ギャングエイジ(中間反抗期)」の特徴は

 
思春期前に見られる発達段階に「ギャングエイジ=中間反抗期」があります。
小学校3年生くらいから少しずつ小学校の生活に慣れ、仲良しの友達とのグループ行動を好むようになります。一緒に遊ぶほか、ちょっとしたいたずらや悪さをしたり、友達をはやし立てることで仲間意識を楽しむ様子が見られることもあるでしょう。仲間意識を高め、友達とのルールを守る中で心も成長していく大切な段階であり、家庭では少しずつ保護者へ反抗する子どももいます。
 

早い子は、小学校高学年から始まる子も。男子・女子ともに思春期への入り口に

 
ギャングエイジを経て、男子・女子ともに、早ければ小学校高学年の頃から始まる思春期
体の変化はもちろん、心にも変化が見え始めます。髪型や服装、顔、体型などの外見を気にするのも思春期の特徴の一つです。周りと比べて自分の体や心の違いを不安に感じ始めたり、性的な関心を持ったりする時期でもあります。
悩んでいる様子が見られた時には、少しずつ「体や成長のスピードはひとによってそれぞれ違うんだよ」と伝えたり、思春期に起きる体と心の変化について教えてあげたり。
性に関する質問をしてきたときには、「まだ知らなくていいこと」などとはぐらかすようなことはせず、子どもと向き合い対話する姿勢が大切です。
また、何にイライラしているのか子ども自身もわからず、言葉にすることが難しく、ただ怒ったり暴言を吐いたり、物を投げたりなどの暴力が見られることもあるでしょう。
 
次に、こうした子どもの体とこころの変化、対応のコツを考えていきましょう。

甘えと自立を行ったり来たり。思春期男子の体とこころの変化

思春期や反抗期が訪れても、まだまだ心は子どものまま。すぐに大人になるわけではありませんね。親に依存したり、また外の世界へ飛び立ったりすることをくり返し、自分に自信をつけて成長していきます。
心と体にどんな変化が起きるのか、親子で分かりやすく楽しく読むことができる絵本や本もあります。例えば、「性の絵本/たきれい・作」をご存知でしょうか。医師や専門家監修による正しい知識を具体的に教えてくれる本です。
 
体の変化についてなんとなくわかっていても、どのような言葉を選んで伝えたらよいかは難しいものですね。この絵本は包み隠すことなく、わかりやすく、子どもの心に添いながら、学習できる絵本としてSNSを中心に広がっています。
成長の度合や困っていることなどによって、項目ごとに6冊に分かれています。体の変化や妊娠の仕組み、性行為とはどのようにするものなのか、何を大切にしなければならないのか、心の性・体の性・恋愛の性とは?などの内容です。
また命育では、性の知識を伝えられる本をいろいろ紹介しています。小学生男子向けの本もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
 

 

男性ホルモンの分泌で、体が変化(性器は大きく、陰毛やひげが生える、声変わり精通がくる)

 
男の子の体の変化としては、男性ホルモンの分泌により、ペニスや陰嚢(いんのう)が大きくなったり、陰毛やひげやすね毛が生えたり、声が太く低くなったり、精通がスタートしたりします。体つきもがっちりし、上半身もたくましく変化していきます。
 

 

心もアンバランスなうえ、反抗期も一緒にスタート!

 
心と体の成長のスピードは同時ではないので、体が急に変化していくことに戸惑うようになります。思春期の子どもは、そんな気持ちが言葉にならない、素直に言えないことも多く、気持ちのコントロールがうまくできずに気持ちが不安定になりイライラしたり無視したり、口ごたえばかりするようになる子どももいます。
さらにこの頃、保護者からの精神的な自立に向かおうとする反抗期も始まることで、反抗的な態度が強くなると言われています。

思春期を迎える息子に保護者ができること、伝えておきたいこと

そんな思春期の子どもへの関わりとして、保護者ができることはどのようなことでしょうか。
 

思春期の体と心の変化について知識を与え、一緒に理解する

 
先ほどもご紹介しましたが、直接面と向かって会話をするのも恥ずかしがったり、素直に聞かなかったりする時期でもあります。保護者の口から直接伝えるのが難しいときは、本やイラスト、サイトや動画を使って話したり教える方法が良いでしょう。
できれば思春期が来る前から性や発達についての話を、普段から会話に取り入れられるといいですね。
 

悩みがちな思春期の変化をポジティブに伝える

 
さまざまな変化を伝えるとともに、変化やスピードは一人一人違い、他人と比べなくてもいいことや、イライラしてしまう気持ちも自然な成長であり、全てありのままの自分でよいことを伝えましょう。また、悩みがあるときは話を聞くよというメッセージや、成長していくわが子が楽しみで、変わらず大好きであること、いつでも味方であることなども、伝えてあげたいですね。

思春期男子の心と体の変化の特徴イラスト

 

アダルト動画・サイトで情報を得る前に!信頼できる性の知識を伝えたいもの

 
どんなに小さな子どもでもアダルトサイトや動画などを閲覧できる時代となりました。それが間違っているか正しいのかは子どもには判断ができません。色々な情報があり、間違っていることやウソのこともたくさんあることを伝えていきましょう。
本や絵本なども使って、包み隠さずはっきりと伝えることが大切です。子どもの一番知りたいことは、大人が隠してしまいがちな情報。自分でインターネットを検索するなどして得た間違った情報を正しいと思ってしまわぬように、しっかりと保護者の口から伝えていきましょう。また、性的な話を、教室やたくさん人がいるところで話題にすることは、嫌な気持ちになったり聞きたくないと思ったりする人がいることを伝えましょう。

命育では、「もし、子どもがアダルトコンテンツを見ていたらどうしたらいい?!」そんなときにおすすめの動画を紹介しています。
とても具体的に、アダルトコンテンツと現実の世界とは何が違うのか?モーショングラフィクスでわかりやすく教えてくれるので、感情的にならずにアダルトコンテンツについて会話ができます。
大人自身のアダルトコンテンツに対する価値観を改めて考えてみる機会にもなる動画なので、ぜひご覧ください。
 

思春期男子とのコミュニケーションのヒントと心がまえ

反抗期のないお子さんや、一見、様子が変わらないお子さんもいます。それはそれでまた心配になりますね。ですが、反抗期がないのはしっかりと保護者に受け止められていると感じている場合も多くあります。保護者の意見を押し付けたり、強く叱りつけているのであれば、もう少し子どもの気持ちを尊重できるよう、見守るスタンスで関わりたいものですね。
 
基本的には感情的に叱ったり指導したりしないこと、人格そのものを否定するような叱り方をしないこと(行動や言動に対して叱る)、干渉しすぎないなどがコツでしょう。子どもが何か話してきたことをしっかり聞くようにするだけで十分です。
シングルマザー、シングルファーザーの場合、大人の男性の先輩としての存在になるような、親戚や地域で交流のあるお兄さん、おじさんと接する機会を増やし協力を得たり、ママ友、パパ友など周りの力を積極的に借りましょう。
その他に母親・父親別のコミュニケーションのコツを考えましょう。
 

母と思春期男子とのコミュニケーション

 
「がんばってるね」「おつかれさま」など行動や努力の過程を認め言葉で伝えることを心がけましょう。温かく見守り、必要とされたときは助言します。その他には好きなメニューを食べさせる、清潔な洋服を着せる、学校の準備品を揃えておくなど、身の回りのことに気配りをし、しっかり見ているよというサインを送ります。
また、父親との架け橋になることも大切。「昨日、お父さんが〇〇はよく頑張ってるなぁと言ってたよ」などと伝えてあげましょう。
 

父と思春期男子とのコミュニケーション

 
母親に暴言を吐いた息子に対し、フォローを入れたり、自分も小さな頃はそんな時があったよ、と経験談やその後の心の持ちようなどを話したりしてあげるといいですね。しっかりと受容しながらも、様々な経験談を話して聞かせてあげましょう。

思春期男子との親ができる向き合い方

思春期は大切な成長のステップ!喜ばしく受け止めよう

子どもの様々な変化や成長に、子ども自身はもちろん保護者も戸惑うことでしょう。自然なことであり、喜ばしい成長だと受け止め、子どもを陰ながらしっかりサポートしていきたいですね。
悩んだとき、困ったときは、いつでも味方である保護者がいるとわかれば、きっと自信を持って成長していけるはずです。保護者も迷ったときは、同じような子どもを持つ保護者と話したり、情報を得たりして心の安定と安心をはかりましょう。

55763

       

おすすめ性教育コンテンツ