思春期

【国際基準の性教育】思春期の子どもに人間関係について何を教えたらいい?後編(性的同意・性犯罪・デートDV)

思春期_人間関係

 

性的同意について子どもとどのように話したらいいですか?

 

同意とは、相手とあらゆる接触に許可を求めることです。10代の子どもたちは、誰かと性的な接触をする前に、まず同意を求めることを知っておく必要があります。そして同意を求めるやり方や、相手の答えを尊重する方法を学ぶ必要があります。
 
同意について話すことで、お子さんの安全を守り、お子さんが誰かを傷つけたりしないように手助けすることができます。女の子の保護者の方の中には、お子さんの安全を心配し、性的暴行を避ける方法を教えることに集中しがちです。
 
しかし、お子さんが10代だったり、女の子だったりかどうかに関わらず、性別に関係なく性的同意について話し合う必要があります。すべての10代の子どもたちが、性的同意とは何か、どのようにして性的同意を求めることができるか知ることで、より安全を確保することができます。
 
性的同意の意味を、あなた自身がよく理解しておくことから始めましょう。同意とは、単に『だれも「いいえ」とは言わなかった』という意味ではありません。
 
「___してもいい?」と尋ね、相手がそれに対して「はい」と答えることを意味します。
 
また、「はい」と言った人が、圧力をかけられていたり、強要されたり、無理やり言わせられたりすることがないこと、または酔っ払っていたり、薬物などで気持ちが高ぶっていたりしないということも意味します。
 
お子さんがセックスを経験するまで性的同意の話を待つ必要はありません。実際、それが何を意味しているのか、そしてそれがどれほど重要なのかを理解した上で、セックスをするべきです。
 
会話を始めるには様々な方法があります。

  • テレビや映画の場面で性的同意が欠落していた場面について話してみましょう。
  • 性的同意や性的暴行に関するニュースについて話し、お子さんの意見を聞いてみましょう。
  • お子さんのお友達が性的同意や性的暴行について話したことがあるか聞き、それについてどう思っているか聞きましょう。

 
同調圧力について知ることも重要です。
 
10代の子どもたちは、セックスや恋愛関係を進めれば、人の注目を集められると信じていることも多いです。または、周りがみんな経験をしているのに、自分だけが遅れていると気後れすることも。しかしそれは、本当は望んでいないセックスをしてしまったり、誰かにセックスを強要してしまうことに繋がりかねません。
 
心地がよいかどうか、愛を共有できているかどうかなどの、あなたが信じるセックスのあるべき姿についてを、思い出させてあげてください。そして、セックスを強要する人はパートナーとして良い人ではないことを伝えましょう。
 
また、先生やカウンセラー、(仕事をするようになったら)職場の上司、先輩、親戚などのような年上の人がお子さんと性的関係を持つことは決して許されないことを知らせておくことも重要です。もし大人(もしくは彼らの人生の中で誰でも)がお子さんを不快にさせるようなことがあれば、いつでもあなたの所へ来ていいということをお子さんに伝えましょう。

 

性的暴行や性的虐待を受けた子どもをどうやって助けられますか?

あなたのお子さんが性的暴行やレイプの被害を受けたことを知ることは、非常につらく悲しいことです。性的暴行やレイプはその人の人生を変え、心に傷を与えるできごとです。その時、お子さんはあなたをこれまで以上に必要としています。
 
サポートのためにできることは次の通りです。

  • 傾聴してください。お子さんの言うことを信じてください。お子さんが一人ではないこと、そしてあなたがお子さんをとても愛していることを伝えてください。
  • お子さんのせいではないことを伝えてください。何が起きているのかを教えてくれるのは良いことです。お子さんがすべきでないことをしたと思っていても、何が起きたのかを良し悪しを判断したり責めたりしてはいけません。責任は犯罪を犯した人にあり、被害者にはありません。
  • 彼らが診察や治療を受けるのを助けましょう。万が一の場合は、すぐに病院や医師に診てもらう必要がありますので、あなたは運転して付き添うことが可能だと伝えることができます。時間の経過とともに、資格を持ったカウンセラーやセラピストと話をしたり、地域の支援団体に参加したりすると、回復に役立ちます。
  • お子さんにプレッシャーをかけたり、やりたくないことを無理強いしないでください。暴行を警察などに通報するかどうかを決めるのは、あなたのお子さん次第です。お子さんが報告することを決めた場合は、報告方法などについてサポートしましょう。

 

 

不健全であったり、虐待的な恋愛関係をもっている子どもをどうやって助けられますか?

お子さんが不健全な関係や虐待的な恋愛関係におかれていると考えるのは恐ろしいことです。不健全な関係や虐待的な関係は、怪我や、長期的な心的外傷、さらには死に至るなど、深刻な結果を招くことがあります。性別や性的指向にかかわらず、あらゆる種類の関係が不健康な場合があります。女の子が虐待をする側になったり、男の子が虐待を受ける側になったりします。
 
お子さんが不健全な関係や虐待的な恋愛関係にあるのではないかと心配ですか?以下にいくつかのサインを紹介します。

  • 恋愛関係のある片方がもう一方を支配している(どこにいるか監視するなど)うつや不安感の兆候がある(食欲や睡眠、興味関心などの大きな変化など)
  • 他のお友達や家族と時間をすごさないようになる
  • 他の人や動物などへの暴力
  • 説明のない怪我

 
あなたができる最も重要なことは、どんなことがあっても、あなたはお子さんを愛しており、安全でいてほしいと思っていることを伝えることです。虐待的な恋愛関係は被害者ではなく加害者の責任です。だから、虐待されているのがあなたのお子さんであるなら、お子さんが巻き込まれてしまったことを責めないでください。
 
代わりに、お子さんには何が起きているのかをいつでもあなたに話すことができるよ、と伝えてください。お子さんのパートナーが間違ったことをしたことを、お子さんがあなたに話してくれたのなら、相手を責めるのではなく、相手の行動に焦点を合わせるようにしましょう。
 
お子さんに、相手と縁を切るように促しましょう。お子さんがその人と一緒にいることを選択した場合、または一度別れた後に戻った場合にも、あなたのお子さんは、まだあなたのところに相談に来ることができることを伝えましょう。
 
不健全な関係にあるパートナーと永遠に縁を切るまでに、何回か別れては戻るを繰り返すことが多くあります。
 

 
お子さんと一緒に読めるおすすめ記事はコチラ

 
 

©Planned parenthood Federation of America /監修 高橋 幸子、翻訳 命育編集部
※こちらのコンテンツ(文章、動画など)は、Planned parenthood Federation of Americaの許可を得て翻訳・監修のうえ作成しています。無断転載は固く禁じます。内容の紹介はこちらのページをシェアいただくようお願いいたします。
 

Planned Parenthood Federation of America(全米家族計画連盟/PPFA)

 

アメリカで1916年創立された女性の性・生殖に関する医療サービスを提供する非営利組織。全米に600以上の施設をもち、医療者による安全な人工妊娠中絶手術、避妊薬の処方、性病治療といった医療を手ごろな価格で提供している。学術調査や性教育にも力をいれており、学校や地域コミュニティ、オンラインなどにより毎年120万人の人々に性教育プログラムを実施。 International Planned Parenthood Federation(国際家族計画連盟)に加盟。

PPFA HP(https://www.plannedparenthood.org/)

2841

       

おすすめ性教育コンテンツ