思春期
気になる!思春期の「ニキビ」。コンプレックスや肌トラブルを深刻化させないためにおうちでできること
思春期といえば、体の悩みの中でも、洋服などで隠せない部分のニキビと体毛は男女問わず、大きな悩みのひとつ。コンプレックスとなり悩みが深刻化したり、間違ったケアをして肌トラブルを起こしたりしないためにどうすればいいのでしょうか。
思春期ニキビと体毛の原因やケア方法、ニキビや体毛に悩む子どもに保護者ができるサポートを一緒に考えていきましょう。
悩ましい思春期ニキビ、コンプレックスが強くなる理由
ホルモンの分泌による体の変化・急速な身体の成長に伴い、現れることがあるのが思春期ニキビです。性ホルモンの分泌が増えることで男性・女性ともに体毛も生え始めます。
体の変化と並行して、それまで自分の外見が気にならなかった子どもも、小学校高学年頃から髪型やファッション、体型などの容姿にこだわりを見せるようになります。異性や同性を意識し、他人からどう見られているか、がとても気になります。
生活範囲が広がり、周囲の影響を受けながら自己を確立するこの時期はまた、周りの人や、SNSなどメディアに登場するモデルやアイドルと自分を比べてしまい、違いに悩んだり、コンプレックスを抱き、落ち込むようになったりもします。
誰かに相談したり、スポーツや趣味などで発散できる場合はいいですが、こうした悩みを家族や友達に話しにくいと感じている子どもは多く、ひとりで悩み続けたり、自信を無くして自己肯定感が低くなったりするなど深刻化することがあります。
こうした傾向から、ニキビや体毛が、他人の価値観に左右されたり、時には自信を喪失したりするなど、子どもの心にも影響します。
思春期ニキビの原因や特徴は?
先に述べたように、思春期ニキビに影響しているのはホルモンバランスです。
思春期ニキビの原因・特徴
- ・急速に成長ホルモン・性ホルモンの分泌が増えることで皮脂の分泌は活発になる。
- ・皮脂で毛穴が詰まり、そこにアクネ菌などの細菌が繁殖してできる。
- ・ホルモンの分泌が安定してくるとニキビの症状が落ち着いてくることが多いです。
- ・ストレスもホルモンの分泌に影響を与えることもある。
- ・夜更かしや食生活の乱れがニキビの悪化を招くケースもある。
- ・特定の食べ物や、マスターベーションでニキビが増えるという噂があるが医学的な根拠はない。
思春期ニキビはいつまで続く?どこにできやすい?
思春期にニキビが増えるのはホルモンが急速に増える10代前半(13歳前後)から後半です。個人差、生活様式・遺伝的体質などによって異なりますが、平均すると高校生くらいの年代に多いようです。
思春期ニキビができやすい場所は、体の中でも特に皮脂分泌の多いおでこ・鼻などのTゾーン、顎などです。中には、背中や首近くの胸など体にニキビができる場合もあります。普段から皮脂が多いなと感じる場所はできやすい場所だといえます。
思春期ニキビのおうちでできるケア方法と受診の目安
ニキビの治療は自宅でするのか、受診するか迷うところがありますね。小さな毛穴詰まり(コメド)や一部のニキビは市販薬でも対応可能であるかもしれません。
こんなときは皮膚科に受診を
ただし、ニキビが赤く腫れた状態・黄色くなり汁のようなものが出てきている状態では、皮膚科を受診することをおすすめします。赤みがあるとアクネ菌が増えている状態であり、黄色の状態では治癒しても、痕が残る場合もあるのです。
また、ひどくなってから治療を開始すると治るまでに時間がかかります。ニキビがなかなか治らない。繰り返しできる。ニキビが赤色や黄色に腫れていると思ったら早めに受診しましょう。
おうちでできるニキビケアのアドバイス
ニキビの予防に重要なことは、清潔にし、皮膚を十分に保湿すること。
清潔にするためには洗顔が必要ですが、1日に何度も洗顔をすると皮膚の表面が乾燥し、この乾燥を防ごうとしてかえって皮脂が増えてしまうことがあります。1日の洗顔は2回程度にしましょう。洗いすぎはかえって肌の負担になるためです。
よく泡立てた洗顔石鹸で、手でこすらないように、泡だけ肌に触れるようにやさしく洗い充分にすすぎます。
洗顔の後は肌に刺激の少ない化粧水やミネラルウォーターのスプレーなどでしっかり保湿をします。保湿して皮脂が増えすぎることを予防します。
保湿後、外に出る場合は低刺激の日焼け止めを塗りましょう。紫外線もニキビに悪影響を与え、悪化させたり痕が残る原因になります。
食事についてですが、チョコや甘いものなど特定の食品でニキビができるということはありません。だたし、健康な肌を育てるために、ビタミンやミネラルを含め、バランスのいい食事をしましょう。夜更かしをせず、生活リズムを整えることもホルモンバランスを崩さないためには重要です。
まとめ
思春期ニキビは、年頃の子どもにとって悩みのひとつ。現れ方は人それぞれ違います。人からどう見られるか、特に見た目が気になる思春期は、ニキビやのように、体におこる変化がとても大きなものとして感じられます。
悩んでいても話さない子どもも多いため、本人がどのようにケアをしたいか、どの程度気にしているのかを察し、話しやすい雰囲気づくり、環境づくりすることや、いつでも相談にのると伝えておくことが大事なことだといえるでしょう。
また、清潔で肌を痛めないケア、生活リズムを整える、バランスのいい食生活が大切な理由のほか、繰り返し子どものいいところを褒めたり、話をゆっくりと聞いて、そのままの自分で大丈夫だと自信を持たせてあげることが、子どもが思春期ニキビの悩みを肯定的に対処し、いきいきと毎日を過ごすための支えとなるでしょう。
監修:助産師・保健師・思春期保健相談士 宮本 裕美子
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専門家(助産師 宮本裕美子先生)からのアドバイス
思春期はホルモンの影響によってニキビができやすい時期です。
まずは日頃から基本のケア、つまり「洗顔と保湿で皮膚を清潔に保つ」「バランスのいい食事」「規則正しい生活習慣」を心がけましょう。これらはお肌だけでなく体全体の健康にも欠かせないポイントです。
ニキビができても基本のケアを継続するだけで自然と治ってしまうものもありますが、炎症を鎮めて治る手助けをしてくれる市販のケア用品を試してみるのも良いでしょう。
SNSにはニキビに関する様々な情報が出ていますが、紹介されている商品をアレコレ試すとお金もたくさんかかりますし、中には正しくない情報もあります。
家でセルフケアをしていても良くならないときは皮膚科を受診しましょう。ニキビだけで受診していいのかなと思うかもしれませんが心配ありません。
受診するときは、いつからどのような状態なのか、どんなときにひどくなりやすいのかなど
をメモして行けば、先生に質問されても落ち着いて答えられますよ。
宮本 裕美子
助産師 保健師 思春期保健相談士 日本思春期学会性教育認定講師
婦人科クリニック勤務。院内に併設されたユースクリニックでは、若者の性や健康に関する相談の他、思春期の子どもを持つ保護者の相談にも対応。 幼稚園・学校での性教育講演や、学童保育指導員の研修にも携わる。小学生から高校生まで2男2女の母。
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