児童期

【国際基準の性教育】プレ思春期の子どもに人間関係について何を教えたらいい? 中編(性的同意・健康的な恋愛関係)

 

どのように健康的な恋愛関係について話したらいいいですか?

 

思春期前の子どもたちは、まだ恋人関係にならないことも多くありますが、ときには発展することも。これらはとても短い期間だったり、キスのようなふれあいがない関係だったりもします。
 
しかし、子どもにとってはこうした関係が、最も大切なことのように感じることがあります。積極的に耳を傾け、ふたりの関係について率直な質問をしてください。お子さんの相手に会わせてもらい、相手のことを少しでも知るようにしましょう。
 
お子さんがもっと成長するまではデートをしてほしくないのであれば、デートや交際をはじめる年齢などについて話し合いましょう。グループデートや遊びにいくことはOKと、決めるのもよいですね。ただ、必ずお子さんも一緒に、交際のルールづくりをして、全てに賛成し、納得していることを確認してください。
 
そうすることで、お子さんは自分の意見が尊重されていると感じるでしょう。また、ルール作りに参加していれば、よりルールに従ってくれるはずです。
 
交際などをしているかどうかに関わらず、健全な交際・恋人関係はどのようなものか理解するようサポートができます。テレビ、映画、動画、音楽は会話のきっかけになります。もしテレビ番組で、お手本となるようなキャラクターがいたら、会話のきっかけのチャンス!
 
または、もし不健全だと思う言動、暴力的な行為を見たら、それについて話しましょう。
お子さんに「どんなことをされたら安全に感じたり、気にかけてもらっていると感じる?」「どんなことをされたら絶対いやだと思う?」と聞いてみてください。
 
もしお子さんが、年上の人と恋人関係にあるなら、不健全な関係である可能性も。もし、年上の人との交際を心配しているなら、あなたの直感を信じてください。何が起こっているのかを聞いて、不快に感じたり、安全でないと感じたりするようなことが起こったら、どんなことでも相談してね、と伝えましょう。

 

 

どのように他人との境界線を尊重したり、性的同意をとるか、話をしたらいい?

恋愛・交際、セックスに関しては、他人との境界線について話したり、尊重したりできる能力がとても重要です。同意を求めることは、相手の境界線を知る方法であり、性的暴行を防ぐ方法でもあります。

 

境界線と同意について話すのは、早すぎるということはありません。

 

実際に、同意を求め、人の境界を尊重することは、日常生活において重要なスキルであり、どんな性的接触が起こるよりも、ずっと前の段階で、伝え、実践しておくのがよいでしょう。他人の境界を尊重することの重要性を理解することで、お子さんが同調圧力に抵抗できるようになり、お子さん自身が同調圧力をかけるような人になるのも防ぐことができます。
 
他人の境界を尊重する人は、自分がしたくないことを他人に強制したり、圧力をかけたりしません。もしあなたの思春期前の子どもが、友達やパートナーから何かを無理に迫られていると感じているなら、それは悪い友人やパートナーのサインです


 

お子さんへの声かけ

  • ・もし誰かがあなたにしたくないことをさせようとしたら、「それはしたくない。代わりに何か別のことをしよう。」と言ってもいいんだよ。もし、相手が耳を貸さないなら、その人とはもう遊んだりしなくていいよ。
  • ・関係性において、誰かが他の人を相手に、やりたくないことをするよう圧力をかけることは、絶対にあってはいけないことだよ。
  • ・同意なしに性的に誰かに触れることは決して許されないよ。もし誰かにそのようなことをされたら、いつでも私や、先生、または叔母や叔父、祖父母、あなたが信頼する大人の誰かに教えてね
  • ・レイプや性的暴行は犯罪であり、決して被害を受けた人のせいではないよ

 

これらのトピックについてどのように話すべきかわからない場合は、性的同意や性的暴行についての記事を読んで理解を深めることができます。

 
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セックス、同意、性的暴行、レイプに関する話は、女の子だけのものではありません。

これらの話題について男の子と話すことは、正しいことと間違っていることを理解し、男子を含め、誰でも性的暴行やレイプの被害者になる可能性があることを理解するのに役立ちます。もし、お子さんが暴行されたり、虐待されたり、レイプされたりしたのではないかと心配なら、相談窓口に詳しい情報とサポートを求めてください。

 

※命育では、性的暴行や性犯罪に関する相談に乗ってくれるホットラインを紹介しています。

 
命育トラブルナビ https://meiiku.com/trouble/#trouble03

 

 

 

©Planned parenthood Federation of America(PPFA) /監修 高橋 幸子、翻訳 新里 亜子(命育編集部)

 
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Planned Parenthood Federation of America(全米家族計画連盟/PPFA)

 

アメリカで1916年創立された女性の性・生殖に関する医療サービスを提供する非営利組織。全米に600以上の施設をもち、医療者による安全な人工妊娠中絶手術、避妊薬の処方、性病治療といった医療を手ごろな価格で提供している。学術調査や性教育にも力をいれており、学校や地域コミュニティ、オンラインなどにより毎年120万人の人々に性教育プログラムを実施。 International Planned Parenthood Federation(国際家族計画連盟)に加盟。

PPFA HP(https://www.plannedparenthood.org/)

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