子供も女性も自然なこと!マスターベーションを知ろう~マナーと注意点

女性・思春期マスターベーション

 

 

■ マスターベーション(オナニー、セルフプレジャー)は、世界の性教育では男性も女性も、大人も子供も自然なこと

 
「マスターベーション」(オナニー、セルフプレジャー)と聞いて、男性がするもの、汚らわしいもの、というイメージを持っている人は少なくないでしょう。しかし、決してそんなことはありません。子供であっても、男性/女性であっても、ごく自然な行為であり、リラックスができゆっくり寝ることができたり、ストレスを軽減させたり、自分の身体を知ることができたり、メリットも多くある行為。世界では、性教育のひとつとして推奨されています
アメリカで100年以上に渡り、女性の性と出産に関する健康と権利に関するサービスや啓蒙活動を行っている「プランド・ペアレントフッドNGO財団(全米家族計画連盟)」は、このように述べています。

”頻繁にマスターベーションをする人もいれば、めったにしない人、またはまったくしない人もいます。さまざまな理由で、さまざまな人がさまざまな方法でマスターベーションをしています。マスターベーションは完全にプライベートなものであり、「通常の」方法はありません”

男性だけでなく、大人も子供も女性もマスターベーションをすることは、いたって自然な行為なのです。
 

■ 何歳くらいからマスターベーションをし始めるの?幼児~中学生高校生のどの時期でも〇

 
幼児であってもマスターベーションをする子供は、男の子も女の子もいるようです(幼児自慰)。自覚がなくても、性器を触っていると気持ちがよいことに気づき、日常的にしていることもあるでしょう。
もし、子供が性器を触ってモジモジしていたり、明らかに自慰行為をしていたとしても、決して「汚いからやめなさい!」と頭ごなしにしかりつけるのはやめてくださいね。

”思春期の前でさえ、子供たちは、性器に触れるのが気持ちいいと感じることがあります。子供が性器に触れていることに気付いたら、自慰行為はいたって普通のことだけれど、プライベートな空間でやるべきことだと教えてあげてください”

(プランド・ペアレントフッドNPO財団HPより)
 
参考記事:幼児自慰についてはこちらの記事でも触れています。あわせてお読みください。
助産師監修:「幼児期は性に興味津々!子供の「なんで?」や性器いじり、どう対応する?」

 

■ 中学生高校生に伝えたい!正しいマスターベーションの方法・間違ったマスターベーションの方法

 

女性・思春期マスターベーション正しい方法間違った方法

「これが正解」といった正しいマスターベーションの方法はなく、何回以上やってはいけないというルールもありません。ただし、マスターベーションをする際には気をつけておきたいマナー・注意点があります。
子供がマスターベーションをしていることに気づいたり、中学生高校生頃になったら、下記ポイントを伝えてあげてください。ご自身で説明するのが難しい場合は、性教育の本を渡してみるのもオススメです。
 

気をつけたいポイント・注意点:

・手を洗い、清潔に・安全な方法で行うこと(男女共通)
 不衛生なものを直接性器にはあてることをせず、性器に触れる前に、手をきれいに洗って行うようにする。摩擦が痛い場合は、質の良い潤滑剤などを使うとよい。
 また、爪が伸びていると性器を傷つけてしまうので切っておくこと。
 
・自分の部屋、お風呂場などプライベートな空間でリラックスして行うこと(男女共通)
 マスターベーションは限りなくプライベートなものであり、人の目のつかない一人だけの空間ですること。
 ※子どもが部屋でこもっているときは、部屋に入る前に必ずノックをして様子をみてあげることも、親として配慮してあげたいポイントですね。
 
・通常のセックスで得られないような強い刺激・体位では行わないこと
 勢いあるシャワー水の性器への押し付け、ソファやテーブルへの押し付け(女子)
 床などの固いモノにこすりつける/通称:床オナ(男子)
 足をピンと伸ばしてマスターベーションを行なう/通称:足ピンオナ(男子)
 ※男子は、固いものの刺激がないと射精ができなくなったり、通常の性交の体位では射精ができなくなったりする「膣内射精障害」を招く可能性があるので、なるべく通常の性交に近い形でのマスターベーションが望ましいとされています。
 
参考記事:思春期男子/思春期女子のマスターベーションついてはこちらの記事でも触れています。あわせてお読みください。
産婦人科医監修:「思春期男子の「身体の変化・性・マスターベーション」に親はどう向き合う?」
産婦人科医監修:「思春期は「大人の女性」に近づく時期~身体の発達・性の欲求(マスターベーション)」
 

■ 【医師回答】中学生・高校生のマスターベーションに関する親の悩み「やりすぎても大丈夫なの?」

マスターベーションに関する間違った情報は多くあります。
 
・成長の妨げにつながる
マスターベーションをやめられなくなる
・身体の健康に害を与える
・性欲が強くなる など
これらを聞いたことがあり、子供のマスターベーションや自分自身のマスターベーションに不安や罪悪感があるなら、安心してください。そのような影響は医学的にはないとされています。
最後に、編集部に届いたマスターベーションに関する「お悩みQ&A」をご紹介します。
ご家庭のマスターベーションとの向き合い方のヒントにしてみてください。
 
Q:マスターベーションのし過ぎで心身の成長に影響はありますか?成長ホルモンへの影響で背が伸びなくなることや、性的欲求が強くなると聞いたことがありますが、そのようなことはありますか?
普通の行為であるとは知りつつも、心配になります。
(高校生女子、中学生男子/母親より)
 
A:マスターベーションによる心身の成長への悪影響は心配いりません
日本では、性教育の内容にマスターベーション がしっかりと組み込まれておらず、子どもも親もどう接したらいいかわかりにくい状況ですよね。まず、マスターベーションは、日本に限らず世界中で広く行われている「自然な行為」です。男性、女性限らず、自身の性への欲求に従えば自然な行為であり、決して悪いことではありません。そして、適切な方法で行う分には、心身への害はありません(長期的にも心配はありません)。不適切な方法とは、「不衛生な場所や手で行う」、「あまりにも強い刺激を与えること」、「ソファやテーブルへの押し付け」などが挙げられます。
なので、頭から行為自体を否定せず、例えば、娘さんにはお母さんから、息子さんにはお父さんから、「自身の昔の苦い経験」などをこっそり話してあげるようにして、適切な方法を伝えてあげられるといいのではないでしょうか。
(産婦人科専門医/公衆衛生学修士 重見 大介先生)
 
参考記事:「お悩みQ&A:Q:マスターベーションのし過ぎで心身の成長に影響はありますか?」

       

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