児童期/思春期

夢精・射精(精通)・勃起って何?年齢・子どもへの伝え方【思春期男子の性教育】

夢精・射精精通・勃起とは(思春期男子性教育)

男の子は、思春期が近づくと、成長の過程でさまざまな身体の変化が起こります。その中に、「勃起、射精(精通)、夢精」も含まれます。

勃起、射精、夢精…面と向かって子供に教えることは、中々難しいテーマ。ここでの内容を、読み砕いて伝えることができる場合はもちろん良いのですが、「こんなこと書いているよ」と、さりげなくお子様に見せていただいても◎。お子様がみても良いように、可愛いイラストで分かりやすく、ご紹介しています。
 


「勃起(ぼっき)・射精(しゃせい)・精通(せいつう)・夢精(むせい)」とは・起こる原因やきっかけは

 

勃起とは

おちんちんのなかにある陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)に血液が流れ込むことで、ペニスが大きく固くなってたつことを「勃起」と言います。実は、男子は赤ちゃんのころから、一日に何度も勃起しているんですよ。そんな小さなころから?と、びっくりする方もいるかもしれません。でもこれは、何もしていなくても起こる自然な現象なんです。そして、性的な興奮を感じることで勃起が起こるのは、個人差はありますが小学校高学年ごろからと言われています。

 

射精・精通とは

「射精」とは、精巣で作られた精子が、ペニスのなかの尿道を通って、体の外に出ること。マスターベーションやセックスで、ペニスに直接刺激を与えることで起こります。女性の体のなかで射精を行なうと、赤ちゃんができることも。
 

夢精とは

ペニスへの直接的な刺激がなくても、性的な夢を見ることで興奮して射精することを「夢精」と言います。中には夢精が起こらない男子もいますが、異常ではないので心配はいりません。

 

精通・射精はいつ 年齢(思春期男子性教育)

精通が起こる年齢はいつ・どんな変化があるの?

男子が初めて射精することを「精通(せいつう)」と言います。早い子で10歳頃、遅い子で18歳頃に経験します。「いつ始まったのか、よく分からない」というように、あまり自覚がないままに、はじまるケースも。
 
日本性教育協会が経年的に実施している「児童・生徒の性」実態調査(2014)では、中学校3年生(14歳、15歳)までに精通を経験している生徒は、50%にわずか満たない程度であり、一方で小学校6年生で精通を経験している生徒は15%程度います。
このように、精通が起こる年齢は個人差がとても大きいので、人と比べる必要もありません。
※参考文献:「児童・生徒の性に関する調査(2014)」日本性教育会協会/東京都内公立小・中・高等学校対象/回答数 6882名
 
精通が起こると、機能的には女性を妊娠させられる体になったということです。
きちんとした知識をもたないまま精通を迎えると、自分の精液を「汚い」と思ってしまう子もなかにはいます。「汚い」というイメージが、あとあと歪んだ性への価値観につながり、女性と関係をもつことに不安を抱くことも。
精通は、成長の過程で誰もが経験すること。自然なことであると肯定的に受け止めてあげましょう。

 

精通を迎える前後の男の子に、保護者が教えておくとよいことは?

精通・夢精・射精(思春期男子の性教育)

精液がついたパンツやシーツの対策を考えておきましょう。「おしっこ以外の白いものが出たときは、お母さんに教えてね」「下着やシーツが汚れたら、洗濯カゴに入れておいてね」など、いざそのときを迎えた際に子どもが困らないよう、対応してあげられると良いですね。

 

Q:夢精・精通について、子どもにどう教えたらいい?

何の知識もないままに、ある朝、突然夢精をしてしまったら、突然変化した自分の体に、子どもはパニックになることも。そうならないためにも、早くから教えてあげることが大切です。口で説明するのが難しい、抵抗がある場合は、本や漫画に任せてみるのはいかがですか?
例えば読みやすくわかりやすい漫画を、本人の机や枕元、リビング、トイレなどにさりげなく置いておく。リビングでは親が熱心に読んでいる姿を見せるなど、気軽に知識を得られる環境をつくってあげてください。もちろん、「これ、大事なこと書いてあるから読んでみて」と、保護者が肯定的なスタンスで勧めてあげるのもOKです。
(命育では、「勃起、射精、夢精」等男の子の性について、分かりやすく書かれている本他、性教育に役立つ本を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
 
参考:親子で読む性教育絵本・子供に読んでほしい性教育本

 

保護者の方へ:思春期男の子に伝えたい「体の変化」のこと

お子さんと、体の変化や発育のことなど会話をしていますか?「直接話をするのがなかなか難しい…。」そんなときは、下記の記事をお子さんに読ませてあげてください。
中高生向けに「易しく・分かりやすく」伝えているので、子どもが自分で読んで、知ることができます。
 
 命育プレミアム会員限定記事:【中高生向け】おとなに近づく証「精通(せいつう)」って何?

 

夢精・射精精通・勃起とは いつ年齢(思春期男子性教育)

 
 

 書籍『子どもと性の話、はじめませんか?—からだ・性・防犯・ネットリテラシーの伝え方』では、思春期からでも遅くない性の伝え方をお届けしています!

 
こんな人におすすめ:
・男の子のからだの変化、射精や精通のこと、どのように伝えておけばよい?
・今さら子どもと性の話なんてできない…(けど、知識はどうにか伝えたい)
・子どものマスターベーションや性欲にどう向き合えばよい?
・アダルトコンテンツとのつきあい方を親・子で考えたい
 
書籍の詳しい情報・目次などはコチラから(Amazon商品紹介へ)
 
【レポートはこちら】『子どもと性の話、はじめませんか? ーからだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」』を夫婦で読んでみた

 

 

イラスト:北野貴代ほか

監修:高橋 幸子

医師専門家(高橋先生)の一言アドバイス

精通は、男子の成長過程で起こる、おめでたいこと。けっして恥ずかしいことではありません。お母さんが「ついに、男になっちゃった」「なんだか嫌だな・・・」なんてリアクションするのは、くれぐれもやめておきましょうね。女子の初めての生理を、お赤飯やご馳走でお祝いするのと同じように、精通をお祝いを!というのは、なかなか難しいかと思いますが、同じくらい「子供の成長の証」で「おめでたいことなんだよ」という考えは、ぜひ伝えてあげてください。

高橋 幸子

埼玉医科大学 医療人育成支援センター ・地域医学推進センター/産婦人科

山形大学医学部卒業。埼玉医科大学総合医療センター研修医、埼玉医科大学病院産婦人科助教、埼玉医科大学地域医学医療センター助教を経て、現職。年間80回以上、全国の小学校・中学校・高等学校にて性教育の講演を行っている。教育雑誌、TVなど、性教育テーマでのメディア掲載・出演実績多数。

活動:

日本家族計画協会クリニック非常勤医師 http://www.jfpa.or.jp/
彩の国思春期研究会西部支部会長

命育コンテンツ協力:PPFAコンテンツ、伝え方ナビ、お悩みQ&A

730100

       

おすすめ性教育コンテンツ