思春期
思春期の身体の変化と保護者の心構え・子どもへの伝え方 男子編

声変わりや精通(はじめての射精)など、思春期になると、男の子のからだは大きな変化を迎えます。お子さんにとっては、不安や疑問も多く抱える時期だからこそ、保護者のサポートが大切になります。
この記事では、具体的に思春期の男の子には、どのような変化が起こるのか、保護者が知っておきたい心構えや、思春期のお子さんと関わる上で注意したいポイントをお伝えします。
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INDEX:
- 思春期とはどのような時期?
- 思春期男子のからだの変化とは
- からだの変化が起こる前に伝えておきたいこととは?
- 思春期男子の一大悩みごと、「ペニス」に関する悩みに専門家の回答を一部ご紹介
- からだの変化が起こる思春期の子どもと接するにあたり注意するポイント
- まとめ
更新日:2025/10/23
回答者:産婦人科医 高橋幸子先生
コンテンツ提供:全米家族計画連盟/planned parenthood of America)
思春期とはどのような時期?
思春期には、第二次性徴(第二次成長)と呼ばれる、感情やホルモンの変化に加え、体つきの変化、女の子は乳房のふくらみやはじめての生理(初潮)、男の子は声変わりやはじめての射精(精通)といった身体的な変化が起こります。
日本内分泌学会によると、そうした体の変化が顕著になってくるのが「女の子は10歳頃から、男の子は12歳頃から」見られるとされています。
関連記事:<医師監修>「男性ホルモン」の秘密とホルモンが関係する病気
思春期男子の身体の変化とは
それでは、思春期男子にはどのようなからだの変化があるのでしょうか?思春期になると、男の子はからだ全体ががっしりとした体型になり、以下のようなさまざまな変化が訪れます。
思春期ニキビがでてくる
思春期になると性ホルモンの影響で、「皮脂腺」と呼ばれる皮脂(皮膚のあぶら)を分泌する腺から皮脂が過剰に分泌されて、毛穴が詰まってしまうことが原因でニキビが出てきます。はじめは額が中心で、頬や、あごや首まわり、胸や背中にも広がります。
精巣が大きくなり始める
思春期には精巣が大きくなります。精巣の大きさが増大すると、陰嚢(いんのう)の皮膚は薄くなり、色も濃くなります。
成長スパートが起き、声変わりが起こる
思春期の急激な身長の伸びを「成長スパート」といい、男子は13歳で約9cm伸びると言われています。この「成長スパート」に続いて、のどにある軟骨が大きく成長することで、声変わりも起こります。声変わりでは、それまでよりも声が低くなり、子供っぽい高い声から、低く太い大人の声へと変化していくとされています。
ひげ、わき毛、性器のまわりの毛(陰毛)が生え始める
思春期を迎える頃、ひげ、わきの毛が生えてきます。また精巣が大きくなると、性器の周りに毛が生えはじめます(陰毛)。陰毛は最初は薄く、まっすぐで細い状態ですが、次第に濃く、カールし、太くなります。
陰茎(ペニス)が大きくなる
精巣が大きくなった後、陰茎の成長がはじまります。陰茎は長さ、幅ともに成長し、亀頭と海綿体も増大します。
精通(はじめての射精)が起こる
刺激や性的な興奮によって陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)に血液が流れ込むことで、ペニスが大きく固くなり(勃起)、精巣で作られた精子が、ペニスのなかの尿道を通って、体の外に出ることを「射精」といいます。思春期、男子ははじめての射精(精通)を経験します。
(出典:『子どもと性の話、はじめませんか?』(CCCメディアハウス 出版、産婦人科医 髙橋幸子 監修)
参照:文部科学省「女性のスポーツ参加促進事業」
https://www.mext.go.jp/sports/content/20210331-spt_kensport01-000011954_PDF11.pdf
日本産婦人科医会「思春期ってなんだろう?性ってなんだろう?(2024年度改訂版)」男のからだ
https://www.jaog.or.jp/about/project/document/shisyunnki2024/
身体の変化が起こる前に伝えておきたいこと・気をつけたいポイントは?
思春期の体の変化は誰でも経験する、自然なものですが、何も知識がない状態だと、突然の変化に驚いてしまう可能性もあります。
思春期を迎える前(小学生低学年から中学年頃まで)に、保護者から事前にからだや心の変化について伝えてあげられると安心です。
上記で紹介したような、基本的な変化を中心に、一緒に記事を見ながら確認したり、わかりやすい言葉で補足しながら伝えてあげられるとよいですね。
今回は、特に異性である母親から伝えるのが難しいことも多い「精通」について、伝え方と気をつけたいことをまとめてみました。
「射精、精通(はじめての射精)」の伝え方
例えば、次のように伝えることができます。
「男の子は10歳ごろになると、勃起した状態のペニスの先から白くてネバネバした液体が出るようになる。これを射精といって、初めての射精を精通というよ」
「誰にでも起こることで、眠っている間に射精することもある(夢精というよ)。ペニスから出る液体は精液といって、精液のなかには赤ちゃんの種になる精子が混ざっているんだよ」
「精液はおしっこと同じ尿道口(にょうどうこう)から出るから、漏らしてしまったと思うかもしれないけど、おしっこが出ているわけではないよ」
また、精液で下着や布団を濡らしてしまったときのために、「精液がついたパンツは、自分で洗って洗濯カゴに入れておいてね」と対処法もセットで教えておくと、いざというときに子どもも落ち着いて行動できますね。
「射精、精通(はじめての射精)」を伝えるときに気を付けたいポイント
気をつけたいのは、「汚い」「いやらしい」などの表現は使わないこと。子どものなかには、精通を経験して自分を汚いものだと思い込むなど、性に関して歪んだ価値観を持ってしまう可能性もあるため、「濡れたパンツ」などの表現を使うようにしましょう。
子どもに直接伝えるのが難しい!ときは本や動画・サイトを活用して
特に異性である母親からは伝えることが難しいことがあるかと思います。同性の父親や親戚、周囲の信頼できる男性から経験談を交えて話をしてみるのも◎。お子さん自身も相談しやすくなるでしょう。
または、男の子向けの性教育本を手渡してあげたり、性教育について発信している動画やサイトをみせるだけでも、知識を得ることができます。
「読んでみて、何か気になること、分からないことがあったら、いつでも聞いてね」と伝えておくことで、保護者のサポートを感じることができるのではないでしょうか。
思春期は、男性ホルモンの影響により、体だけでなく、心にも変化がある時期です。イライラしたり、情緒不安定になることもありますが、成長の一過程であり、誰もが通る道です。
保護者の方は、ぜひ、さりげなく見守りながら、必要なタイミングがあればサポートしてあげてください。
https://meiiku.com/bookreview_category/puberty/
思春期男子の一大悩みごと、「ペニス」に関する悩みに専門家の回答を一部ご紹介
思春期男子の悩みで一番多いものといえば、ペニスに関すること。ここでは、実際に命育に寄せられた過去のお悩みと、それに対する専門家からの回答も一部ご紹介します。
Q. 「僕のペニスは正常ですか?友達と比べて、変わっているのではないかと心配です(10代からの質問)
A:痛い、または気分が悪いということがない限り、陰茎(いんけい)や精巣(せいそう)はおそらく正常です。すべての人のペニスは、それぞれ違い、人によって様々です。
Q. 「包茎は自然に治りますか?自分で治すことはできますか?(10代からの質問)」
A:バイ菌が入らないように清潔にすることと、毎日のムキムキ体操もオススメ
からだの変化が起こる思春期の子どもと接するにあたり注意するポイント

他人と比べずにお子さんをほめよう
思春期の子どもと接するにあたり、最も注意したいのが「周囲の子と比べること」です。
思春期の子どもたちは、上述したような性器の見た目や、自分の容姿が変化することで、それまで以上に他者と自分の違いを意識するようになります。
だからこそ、たとえそれが褒めるためであっても、見た目について言及することはなるべく避ける方がよいでしょう。なぜなら、見た目を褒めるという行為は、そうでない人の見た目を否定することにつながるからです。「この見た目はよくて、この見た目はよくない」というメッセージを送ってしまう可能性があります。
そもそも人のからだは違っているのが当然で、人の数だけ見た目も異なります。どうしても褒める必要がある場合は、魅力的かどうかより、健康さや能力について焦点をあてるなどができるとよいですね。他にも、一生懸命にしたことや達成したことをほめてあげる、というのも効果的です。
もちろん、咄嗟に褒めてしまう場合もあるかもしれませんが、そんな時も「見た目だけ」ほめることにならないよう、その他の内面的な部分についても伝えてあげれるといいですね。
これらの関わりは、思春期のお子さんのみならず、すべての世代の子どもたちの健康的な自己肯定感を育てるためにも必要なプロセスでもあるので是非年齢に関わらず実践してみてください。
https://meiiku.com/howtonavi/middleschoolbody02/
からだに対する否定的な言葉は使わない
思春期はただでさえ、からだの変化が不安な時期。たとえお子さんに向けたものではなくても、からだに対して否定的な言葉を使うのは避けた方がよいでしょう。
例えば、親自身が自分のからだに対して「お腹周りが太ってきて、だらしない体型になった」と不満を言った場合、「太っていること=だらしない」という間違ったボディイメージを形成してしまう可能性があるからです。
性の知識を伝えよう
思春期のからだの変化は、生殖能力を持つことも意味します。そのため、妊娠の仕組みや安全な性行為、避妊の知識、性感染症などのリスクなど、お子さんの成長や状況に応じて、性の知識を伝えておくことがとても大切です。
また、性的な欲求をコントロールできるようになるという意味でも、マスターベーションについてや、恋愛・交際関係になる相手ができることもあり、性的同意、人との関係性や境界線などの知識も伝えておきたいですね。
一方で、思春期は心も不安定な時期でもあり、普通の会話もしづらくなることも。
そういった場合でも、「思春期で聞く耳をもたないから」と諦めてしまうのではなく、参考になりそうな書籍、WEBサイトを紹介する、信頼できる大人を紹介する、など間接的でもよいので正しい知識にアクセスできる環境を準備できるとよいですね。
https://meiiku.com/howtonavi/male-growth/
まとめ
「思春期」というと「難しいお年頃」などと比較的カジュアルに扱われることもありますが、子どもにとって、心にも体にも大きな影響を及ぼす大切なタイミングです。
だからこそ、親や保護者はこの時期の子どもたちの小さな変化にも寄り添う姿勢が必要です。
たとえ大人にとって「そんなこと」と思える小さな疑問やありがちな不安にも、お子さんの気持ちを真剣に受け止めて、問題解決のためにサポートできるとよいのではないでしょうか。
参考:National Library of Medicine [Physiology, Puberty] 2023/3/27
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK534827/
ライティング:三上 ゆき
大阪大学外国語学部を卒業後、㈱LITALICO、㈱リクルートなどで、個人・法人営業を経験。その後フリーランスWEBライターとして活動する側、一般社団法人や認定NPO法人で理事や責任者を兼任している
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