カンチョーやスカートめくりはなぜいけないの?大人はどのように注意したらよい?

カンチョーやスカートめくり、まさかそんな、昭和の話?と思うかもしれませんが、令和の今でも、保育園・幼稚園や小学校で、カンチョーやスカートめくりが流行ることがあります。
 
「子供にはよくあること」と見過ごして容認していると、された側が傷ついたり、いたずらがエスカレートしたりすることもあり、注意が必要です。カンチョーやスカートめくりは、プライベートゾーンを侵害する行為であり、性犯罪の素地を作ってしまう重大な問題ともいわれています。自分の子どもがしていたり、している子を目撃したりしたとき、大人はどのように注意したらよいのでしょうか?
 

カンチョー、スカートめくりは、どうして見過ごしてはいけないのか

小さい子ほど意味もわからず、騒ぐのが楽しくてやってしまう事があります。そういった子も含め、「何がいけないのか」「なぜダメなことなのか」を伝える必要があります。保護者自身も、腑に落ちて理解できていると、説明がしやすくなりますので、下記を心にとめるとよいでしょう。

プライベートゾーンの侵害であること

 

プライベートゾーンとは、水着や下着で隠れる場所と口、の事を指しますが、カンチョーやスカートめくりといった行為は、プライベートゾーンを許可なく触ったり覗いたりすることになるため、見過ごしてはいけません。

 
プライベートゾーンについて詳しくはこちら

人の嫌がることをして喜ぶことは性暴力のはじまりにつながること

 

後述する星野先生監修のQ&A記事によると、
「性的興味や性欲がなくとも、相手を困らせたい、支配したい、攻撃したいという理由でズボン下ろしやスカートめくりを行い、被害者が性的羞恥心を覚えれば、それは性暴力」
ということです。
性犯罪、性暴力の素地を作らないためにも、いけないことだとしっかり説明しましょう

 

カンチョー、スカートめくりをしている子どもに注意するポイントは?

からだ・プライベートゾーンについて説明する

 

文部科学省が2021年より推進する「生命(いのち)の安全教育指導の手引き」では、「導入」として、からだについてや、自分も他人も大切である、という理解から始まり、「展開」では、プライベートゾーンについて、嫌な気持ちになる触られ方について考えます。
悪いこととも知らずに騒いでしまう子どもに対しても、段階的に「からだ・プライベートゾーン」や「他人との境界線について」が理解できるように工夫されています。
関連記事:https://meiiku.com/staffblog/inochinoeducation/
文部科学省「生命(いのち)の安全教育について」:https://www.mext.go.jp/a_menu/danjo/anzen/index.html

 

幼児・小学生のお子さんには、絵本やぬり絵などで伝えるのがおすすめです。下記の教材ページなどを参考にプライベートゾーンについて学び、嫌な気持ちになる触り方について考えてみるとよいでしょう。
 
幼児向け性教育絵本紹介ページ:https://meiiku.com/bookreview_category/infant/
命育ぬり絵ダウンロードページ:https://meiiku.com/column/materials_preschool02/
性教育教材ダウンロードページ:https://meiiku.com/column_category/tools_dl/
 

 性的な興味を否定しない

 

ここで心にとめていただきたいことがあります。それは、「性的な興味をタブー視しない事」です。「興味を持つこと」自体をタブー視するのではなく、社会のルールとしてしてはいけないこと(同じことを大人がしたら犯罪になること)であることや、子どもであっても相手の同意なくプライベートパーツを見たり触れたりするのは、相手を傷つける行為であることを話してあげましょう。(学校コンサルタント くまゆうこ先生)

 
関連記事:学校で起きている「性的ないじめ」「性的な嫌がらせ」とは?保護者ができる対応(会員限定記事)https://meiiku.com/howtonavi/sexsial_bullying/
 

「おバカだなぁ」「子どものすることだから」と容認しない

 

そして、もう一点気を付けたいことは「容認しないこと」です。
 
専門家監修のQ&A記事によると、
 
” 一概にズボン下ろしやスカートめくりをするのは男の子だけと決めつけることはできませんが、加害者の多くは男の子であり、彼らの暴力性やセクハラ的な行動を「男子はアホだから(笑)」とか「男子はおバカで微笑ましいね」の一言で容認してしまう風潮はとても危険です。男の子たちは、自身の男らしさを証明するために自分の逸脱ぶりを「オレはこんなにすごいんだぞ」と競い合う傾向があります。ズボン下ろしやスカートめくりを「男の子はそんなもの」と放置することは、有害な男性性の素地を男の子たちの中に作ってしまうのです。(小学校教諭 星野 教諭)”
 
容認して放置せず、いけないことだと説明しましょう。

 
関連記事 :「お悩みQ&A:学校でズボン下ろしやスカートめくりが流行っているようで、やってないか、やられてないか心配です(会員限定記事)」https://meiiku.com/qa/late_childhood_16/
 

カンチョー・スカートめくりをする子どもにどう注意する? まとめ

いかがでしょうか。カンチョー、スカートめくりといった子ども同士のふざけ合いを苦笑いでやり過ごしたり、「バカだな~」と容認しているような態度をとらず、いけないことだ、と理解できるように注意し、「プライベートゾーン」「同意」「境界線」「性暴力」といった事柄を学ぶチャンスに変えていけるといいですね。

 
 

命育は、保護者の他、幼稚園・保育園の先生や学校教員の方など子どもに関わる大人にも活用いただけます。
 
また、幼稚園・保育園関係者向けのセミナーの開催や、多くの園や学校からご要望をいただき、専門家講師によるプライベートゾーン含めた性教育講演を実施しています。

 
 
※詳しくは、下記よりご覧ください。
 
園、学校関係者の方|性教育講演・研修のご依頼
https://meiiku.com/schools
 
保育関係者向けオンラインセミナーの様子こちらから
 

 

       

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